適サシ宣言について思うこと

 

 

浅草ちんやさんの適サシ宣言が話題を呼んでいます。

 

 

 

こんにちは。

〜人とお肉をつなげるサイト〜Meat UP!主宰の片平梨絵です。

 

 

 

浅草ちんやさんの適サシ宣言とは、

サシの入り方かが過剰ではない「適度な霜降り肉」を「適サシ肉」と呼び、提供していきます!というもの。

 

この宣言が、大手メディアに取り上げられたことで大きな話題を呼んでいます。

 

 スクリーンショット 2017-02-10 16.32.19

 

ちんやさんのいう適サシとは、

 

・脂肪の量が4等級

・脂肪の融け方が良い、脂肪の融点が低い=十分な月齢(30カ月)まで肥育した和牛のメス牛の脂

・「小ザシ」=サシの入り方が細かく、加熱すると良い香りの出る肉

 

→このような「適サシ肉」は、赤身の旨み、脂の甘みがバランス良く、胃もたれせず、香りの良いすき焼きが実現できる。

 

というもの。

 

 

人により美味しさの感じ方、嗜好性は様々ですが、

私自身は、この適サシ宣言に共感するものがありました。

 

けれど、一連の取り上げられ方、編集を見ると、

霜降りはNO!!

 

という、極端な論調になってしまっていることを残念に感じています。

 

 

 

 

 

適サシ宣言は、黒毛和牛の大きな特徴である霜降りを否定する意図はけしてなかったと思います。

 

 

 

 

 

この写真のお肉、霜降りですか?赤身ですか?

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たぶん多くの人は霜降り肉だと回答することでしょう。

 

 

 

これ、BMSNo.7のお肉。

格付でいう4等級ですね。

 

*4等級=(BMSNo.5〜7)

牛枝肉の格付制度についてはこちらの記事へどうぞ。↓

牛肉の格付制度とおいしさの関係ークローズアップ現代+1129

 

 

ちんやさんが適サシ肉として提供するお肉は5等級に近い4等級。

つまり、この写真のようなお肉のイメージに近いものと推測されます。

 

けしてサシを否定した訳ではないのです。

 

 

 

 

私自身は、BMSNo.が高いものがダメ!とは思いません。

BMSNo.12でも美味しい血統、長く飼った脂質の良い牛肉であれば美味しいと考えます。

 

 逆に、

短期間で無理にサシを入れようとしたり、牛に負担のある飼い方をした肉は、

サシが少なくても、多くても、好ましいと感じません。

そういう肉は、脂の融点が高いことが多く、舌触りが良くなかったり、しつこかったりすることが多いのです。

 

 

 

昨年のクローズアップ現代+に出演した際にお話ししましたが、

私の選ぶお肉は、透明感のある肉。

 

脂の融点が高い肉は、

脂肪が白っぽく、脂肪交雑(サシ)と赤身肉の部分との境界がはっきりしていています。

 

これに対し、

脂の融点が低い肉は、

脂肪交雑(サシ)は脂肪が半ば溶けた状態で光の透過性が増し、肉の色が透けてサシが見えにくくなる傾向にあります。

 

実際、肉質等級は4等級の牛枝肉でも、脂の総量は5等級と同じという研究結果もあります。

よーく冷やし込むとサシが浮き出るという「出世牛」と呼ばれるものですね・・・

 

 

適サシ宣言は、霜降り肉の否定ではなく、

脂の量より、質が大事だというほうが捉えらやすいのかな。という気がします。

 

 

 

 

ところで、脂の融点は、どうしたら低くなるのでしょう。

 

 

一番は、血統(遺伝子)による差が大きいと思います。

 

次に、肥育期間が影響します。

 

 

脂肪の融点は、肥育月齢が長くなると低くなる傾向があります。

 

それは、脂肪に含まれる不飽和脂肪酸の割合が高くなるためです。

 

 

そのメカニズムをひも解くと・・・・

 

*牛の脂肪酸を不飽和化する酵素(ステアロイルCoAデサチュラーゼ=SCD)は、13カ月齢以降に活性化するといわれています。

 

*けれど牛の成長ホルモンは、SCDの発現量を抑制します。体が成長している間は、SCDが抑制されていて、成長が止まる頃になると、成長ホルモンの分泌が低下し、そこからSCDが活発になり、不飽和脂肪酸が増えると考えられています。

 (詳しい説明は別の機会に)

 

 

 

 

今回の適サシ宣言。

 

 

 

 

自分のお店が「どのような肉を、どのように提供するのか」。

それを明確にして提供することはとても大切なことです。

 

流通経路が少々複雑なお肉の分野では、

お肉屋さんが納品するお肉をなんとなく提供している、というお店も少なくありませんから。

 

 

ただ、 

牛は工業製品ではない、生き物。

 

当然、個体差があります。

そのばらつきをいかに少なくするかは、お店にとってとても大事なことですが、

黒毛和牛の生産量が減少を続けている中で、変わらない品質を提供し続けることが容易ではなくなっています。

 

 

牛の肥育農家の経営が厳しい中で、コストを抑えるために増体系の血統が増え、肥育期間が短くなる傾向にあることも否定できない事実です。

 

 

従来のように、食肉市場で自分の理想の肉を思うように手当てできる時代ではなくなっています。

 

さらには、供給不足により牛枝肉相場は上昇の一途を辿っている中で、提供すべき肉を長期的にどう確保していくのか。大きな課題となっています。

 

 

その意味では、ちんやさんだって、「適サシ肉」をどう調達するのか。

問われる時代がくるかもしれないのです。

 

 

 

  

5等級であっても美味しい黒毛和牛はあります。

美味しい霜降り肉はあります。

 

 

私は美味しい霜降りの黒毛和牛が大好きです。

そして、美味しい霜降りの黒毛和牛を残していきたい。

残していかなければいけない。伝えたい。

 

 

 

私のアクションは小さいものですが、

1人でも多くの人に伝えるために、お店に立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜人とお肉をつなげるサイト〜Meat UP!

 

主宰:片平梨絵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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