まんまる
欠けてるくらいがちょうどいい。
月も、人も、きっと。
完璧な人なんていないんだよ。
幻が夜に成長するように、わたしの目にはまんまるに映っていているんだもの。
欠けてる様など、わからなかったように。
小さく目を細めて凝視してみても、変わることなんてなくて。
少し足りないくらいのほうが、なんだか可愛いらしいじゃない?
だから三日月って綺麗なのかな。
その上に座ってさ、唄でも口ずさんで。
揺れていられたら、幾分幸せだと思うの。
欠けてる部分は補えばいいし、外れたピースならまたはめればいい。
それでも時々、思いやれない時がある。
「人は所詮、いざとなったら自分のことしか考えられない生き物なのよ」
と、舞台上でオカマがいい放った言葉が脳裏に焼き付いている。
どこか納得している自分がいた。
誰かのために、快く自らの命を投げ出せる人ってどれくらいいるのだろう。
そりゃ、狼だって吠えるでしょう。
だからわたしはね、生き続ける気分で夢を見て、今日を死ぬ気で生きるんだ。
欲の中にある純粋さと、追いかけっこ。
無い物ねだりだろうか。
さて、みんなが嫌いな月曜日がやってきたよ。
だからわたしだけはね、愛してあげようと思うんだ。
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