初めてSMプレイをした話9

投稿日：2014.02.18｜カテゴリー：初めてSMプレイをした話,滑稽話

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R「さーて、あれはどこにあったかな」ｶﾞｻｺﾞｿ

ボクのことなんてお構いなしに

黒革のカバンを探るＲさん

そんな中、ボクは

「オカマがお構いなし」

という洒落を考えましたが、

それをぐっと堪え、Ｒさんの挙動を待ちました。

R「あ！　あったあった♪」

Ｒさんの手にはバラ鞭が握られていました。

え、そのカバン四次元ポケットなんすか？

Ｒさんがバラ鞭を振り上げます。

R「さ、じゃあ行くわよ♪」

ボク「いやいやいや！　ちょっと！　ちょっと待ってください！！」

R「え？　何かしら？」

そこでボクは考えます。

ボク「あ、いや……」

周りを見渡すと、
常連客の皆さんがこちらを見ています。

その目を見ます。

皆、心配そうな目をしながらも
ボクはその瞳の奥にある好奇の色を見ました。

そりゃそうです。

傍から見れば、
これほど面白いショーがあるでしょうか？

いまここで、
「やっぱりやめてください」
を言うことは許されないのです。

ボクはそれを感じ、静かにこう言いました。

ボク「……やってくださ――」

R「――うん、わかった」

バシッ！！！！！！！

ボクが言い終わるか、
言い終わらないかぐらいに
耳をつんざくような破裂音が鳴り響きました。

ボク「痛っ……！！！！！！！」

と、同時に
背中に熱を持った、鋭い痛みが通り過ぎます。

よく言われる
こういったバラ鞭というのは、
その手の世界では初心者用と呼ばれています。

・バラ鞭
一般的に柄の部分で数本の革紐が束ねられているものを指す。9本のものを九尾鞭（cat-o-nine tails）と呼ぶ。またそれ以上のものは千条鞭と呼ばれることがある。打った際に大きく音がするが、打撃面が分散するため比較的痛みは少ないとされる。入門者向け。
（wikipediaより抜粋）

いやいや……

激痛なんですけど！！(´；ω；`)

wikipeddia書いた奴出て来いよ！！(´；ω；`)

しかし、ここで、息を呑んだのは幸いでした。

いまなら取り返しが付きます。

ボクはドＭキャラ……

ここで痛いと言うのはプロとして失格です。

まだじんじんと痛む背中の熱を感じながら
ボクはＲさんに言い放ってやったのです。

ボク「いやあ、全然痛くないですね！！！！」

R「……！」

ボク「あはは、なんですか、それバラ鞭ですか？

そんなの初心者用じゃないですかｗｗ

ボクを誰だと思ってるんですか？ｗｗ

ボク自分で言うのもなんですが、相当なドＭなんすよ？

そのボクにバラ鞭？？？

ちょっと正直がっかりですね！

ボクぐらいのドＭなんですよ？

もっとすごい責めしてくださいよーｗｗｗ」

ボク「もっとハードなことしてくださいよ！！」

しーん……

常連客ら「おー……」

R「チッ……」

勝った……

勝ちました。

ボクの完全なる勝利でした。

Ｒさんは
ここまでのドＭを想定していなかったらしく、
バラ鞭以外のアイテムを出してこれなかったのです。

静かに手錠を外してくれたＲさんは、
数杯お酒を飲んで、帰って行かれました。

これがボクの初めてＳＭプレイをした話です

数日後……

その日ボクは、
前日お休みを取っていて、
一日空けて出勤していました。

出勤直後、
店長がニヤニヤしながら近づいてきます。

店長「なあ、おい
昨日、またＲさんが来たぞ」

ボク「え……？」

否応なしに
またあの日の記憶が蘇ります。

店長「お前、昨日休んでて良かったな」

ボク「そ、そうなんですか。
な、なにかあったんですか？」

店長「それがなー……」

店長「今度は乗馬鞭持ってきたんだよ」

ははは……

いやいや……

ははは……

死んでまうわ！！！！！！

・乗馬鞭
柄から細く伸びた棒状の部分があり、先端に皮製のチップがある鞭。乗馬の際に馬を追うのに使われる。ウィッピングに使う場合は非常に危険なアイテムとなる。テレスコピックと呼ばれる伸縮式のものも存在している。こちらは耐久性が低いためプレイ用。本物は分厚い馬の皮膚を通して痛みを与える丈夫で危険な鞭である。
（wikipediaより抜粋）

おしまい

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