放射性物質による害を防ぐために
震災の直後に書いたブログだが、埋もれるのはもったいないので一部書き直して転載しておく。
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ヨウ素剤が福島県三春町の住民に配られたというニュースが入ってきた。今回は放射性物質による被曝から身体を守る方法について書いてみよう。
放射性物質の一つである「放射性ヨウ素」が体内に入ると、甲状腺に集まり、甲状腺癌の原因となる。しかし予めヨウ素を大量に摂取しておくと、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを防げるわけだ。
つまり、体内に入ってしまってからでは、かなり効果が薄れる。甲状腺に放射性ヨウ素が取り込まれてからでは遅いのである。
さて、ヨウ素剤の代わりになるものとして、イソジンなどを飲めば良いというデマが流れたことがある。イソジンは飲むように作られているわけではないので、害があって当たり前だ。
しかし、本来の使い方をしたらどうだろう。つまり、「塗る」わけだ。実は皮膚を通してもヨウ素は吸収されるため、イソジンを大量に塗ることによって、ヨウ素を体内に取り込むことができる
。その場合、腕の内側や太ももの内側など、皮膚が薄くて血管が多いところに塗ると、吸収率を高めることができる。
なお男性の場合、一番吸収率が高いのは陰嚢だ。ただし塗ってどうなっても責任は負えぬ。
女性の場合は・・
といっても、具体的にどれくらい塗れば良いのか、経皮吸収率が良く分からないので、精確な数字は出せない。しかし塗ることによって血中ヨウ素濃度が上昇することは確かである。
また昆布のようなヨウ素を大量に含んだ食物を食べるという方法もある。10gの昆布で出汁をとると、出汁のなかに16mgのヨウ素が出てくると言われる。
成人男性は76mgのヨウ素を摂取すれば良いので、50gの昆布から出る出汁を飲めば良いわけだ。なお油と一緒に摂取すると吸収率が高まるため、出汁だけを飲むよりは、油を使った食物と一緒に摂取するほうが良い。
なおキャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」と呼ばれる物質が入っており、ヨウ素の吸収を阻害してしまう。また大豆サポニンもヨウ素の吸収を阻害するため、大豆製品も摂り過ぎは注意である。
ヨウ素を摂り過ぎることによる弊害も確かにある。しかし国際原子力機関(IAEA)の資料によれば、一日300mg摂取しても副作用が出るのは100万人から1000万人に一人の確率であり、ポーランドでは小児1050万人にヨウ素剤を与えても副作用は報告されなかったと言う。
特に日本人は通常から海産物によりヨウ素を大量に摂取しているので、ヨウ素に対する耐性が高いものとも思われる。
(参考:よくわかる原子力 原子力教育を考える会HP)
http://www.nuketext.org/index.html
さて、ここからが実は本題である。ヨウ素剤は、40歳以上には効果がないとされている。
摂っても摂らなくても甲状腺癌の発生率に差が出ないとされているためだ。
しかし、放射性物質による害というのは、もちろん甲状腺癌だけではない。
第一に、放射線によってDNAを切断されるという直接的な作用。第二に、放射線が体内の水分と反応し、活性酸素を発生させることによる間接的な作用。この二つにより、さまざまな問題が起こってくるわけである。
DNAの切断であるが、実はタバコを1本吸うだけで、DNAの鎖が3000本も切断されると言う。それに切断されたDNAを修復する機構も身体には備わっている。
すなわち40歳以上であろうとなかろうと、私たちが考えるべきは、活性酸素対策である。
体内の水分子は放射線のエネルギーを吸収し、O-H結合が切断される。するとヒドロキシルラジカル(・OH)が発生する。また放射線によって水から電子がたたき出され、それを近くにある酸素分子が受け入れることによって、スーパーオキサイドアニオンラジカル(O·̄2)が発生する。また、スーパーオキサイドアニオンラジカル同士が反応すると、過酸化水素(H2O2)も発生する。
では、これらの活性酸素対策にはどうすれば良いのか。電子書籍「活性酸素とスカベンジャー」にて全て解説しているので、ご一読いただきたい。持ってない人は、これから買おう。買うのがイヤな人のために、ごく簡単な方法をアドバイスする。
・マルチビタミンミネラルを毎食後に摂取する。銅と亜鉛、セレニウムが含まれているものを。
・ビタミンC、E、B2をマルチとは別に大量摂取する。
・Coq10、αリポ酸も摂取する。
・カボチャや人参を積極的に食べる。
・サケやイクラなどからアスタキサンチンを摂取。
・ゴマ(摺り、炒る)や緑茶も摂取する。
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