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第4話 歌を。仕事を。楽しむ♫


上京物語  第4話


第3話の続きの《何故?田舎者の僕に根拠なき自信があったか?》の続きである。


ん〜〜???


きっと、知らない間にも自信に繋がる小さな出来事が積み重なっていると思う。



もちろん、記憶にもない様な幼少期におきた出来事が”僕”と言う人間の根本を作ったとしたらもちろん分からないこともある。

三つ子の魂百までとも言うし。


ただ、僕が記憶している事で自信になった事は他にもバイト先での出来事が思い出される。


僕は配管工の仕事を上京する半年前に辞めた。

辞めた理由としてはもちろん上京という夢があったのだが配管工は出張が多くてそれが辞めた理由の一つである。


地元で、上京する為の色んな準備をしたかったのもある。


とりあえず辞めてからバイトを探した。

まずは僕の中学校の同級生がバイトしていたカラオケ店である。


10部屋ぐらいの田舎のカラオケボックスでバイトは5人ぐらいでシフトを組んでまわしていた。


それが、午後16時30分からから夜遅くまで。

田舎のカラオケボックスなので、お客様の混み具合で営業時間が変わっていた。


基本的には25時か26時ぐらいまでが多かった。


ただ、ここのバイトで僕はお金以上に得るものがあった。

23時くらいからカラオケボックスの部屋の掃除を一部屋ずつするのだが、僕は毎日率先して部屋の掃除をした。

何故なら?


そう!部屋の掃除をしている時は部屋を締め切りカラオケを歌いたい放題であった。

もちろん、店長はそれを了解していてくれたのだが。

毎日、毎日、歌を唄いまくった。

ほぼ、毎日出勤だったので沢山練習した。


そこで、自分なりにすごく上手くなったと思う。

プロのアーティストとして通用する程になったかと言われたら、もちろん全くである。


それは、上京して僕より上手い人が沢山いたからこそ後々気がついた。


もちろん、バイトの時は僕は相当の才能を感じて《東京で勝負できる!》と思っていた。

あの時の勘違いがあったからこそ、上京出来た。

そうゆう意味では、

痛い人。

馬鹿な人。

で良かった。



毎日歌っても、どれだけ唄っても飽きる事はなかった。

しかも、先祖代々、親からつながっているこの身体の喉は中々声枯れせずに強かった。


僕はカラオケボックスで”歌を唄うこと”が本当に好きだという事を確信した。

気持ちいいと心から感じた。




それから。



カラオケボックスでのバイトは夕方からだったので、僕は朝から出来るバイトも探した。


何故?そんなにバイトしたか。

上京した後のその先が見えなかった為にお金が必要であったからである。

と言うか、東京で生きる事、暮らしていく事、全てノープランだった。。。



もう一つのバイトは新聞の募集欄にのっていた寿司屋さんのオープンスタッフであった。


回転寿司のフロアースタッフだったので、お皿を数えたり接客したりする仕事であった。

僕は活気あるお店の雰囲気も気に入り言われる通りに元気ハツラツで仕事をしていたと思う。


するとそのフロアの仕事を3日間すると、そこのオーナーに突然呼ばれた。


『ヒロトは感じがいいから、中に入れ!』

と言われた。


“中に入れ!”とは要するに魚をさばいて寿司を握れという事であった。


回転寿司ではあったが、カウンターの中に寿司職人がいてお客様の目の前で魚をさばいて寿司を握るスタイルの店であった。


僕は包丁を家庭科の授業以来に触った事はなかった。

しかも、包丁はめちゃくちゃ切れる職人さんの包丁であった。




『ヒロト、さばいてみろ。』


…。。。



オーナーは突然僕の目の前に朝届いたばかりのまだ生き生きした大きな甘鯛を差し出した。


大きなまな板の上で、これでもか!というほどに鯛がピチピチと暴れまくっている。



僕は言われた通りに必死に鯛を抑えながら締めた。

お互いに。

鯛も生きる為に。

僕も活きる為に戦った。


鱗が飛び散る。


。。



もちろん、一回では出来なくて5回くらいは失敗してドタバタしながら鯛を締めた。


はぁ、はぁ、はぁ。。



『魚を苦しまさずに締めるのが一番いい。』

と強く言われた。



そうしたら、すぐに。

『さばけ!』

と言われた。


えっ。。。。。⁉︎

それは無理です。。。。⁉︎





『ヒロトが上手く出来なくて当然。失敗して当然。』


『もしかしたら、すごく下手かもしれない。センスがないかもしれない。』


『ただ。』


『人は初めて何かをする時が必ず一番下手で。

そして、絶対にそれよりは下手にはならない。必ず上達する。』


と言われた。


…。。。






確かに。。。


確かに、オーナーの言う通りだった。


何かをする時は。

何かに挑戦する時は。


最初が一番下手。

そして、それに比べたら必ず絶対に上達する。

一歩踏み出す。そしたら二歩目があり、いつか百歩目があり。

その先に未来がある。



当時、僕は僕なりにその言葉を理解した。

誰にも教わることなく見よう見まねで魚をさばいた。


僕は魚を”さばく”ではなく、切れ味のいい包丁で大きな甘鯛をぶつ切りにした。みたいになったが正しい表現であろう。


それは、刺身とは程遠いものであったが僕は自分でやった事にすでに優越してたのしくなっていた。



おそらく高額な鯛だったと思う。

それでも、僕に”何かを”伝えて頂いた事はいずれ僕の  自信に  つながった。


その後も寿司を握る事も同じだった。


『必ず上達する。』


『他人と比べるな。』


今思えば


それは、”初心を忘れるな”

の本質なのかもしれない。と思う。


しかも、そのオーナーは楽しむ事も教えてくれた。


『ヒロト。お前が気に入ったお客様が来たら自分の判断でサービスしていい!』


と言われた。


ここで言う”気に入ったお客様。”と言うのは


女の子の事である。


要は、好きなタイプがきたらお前の腕前とサービスで気に入られろ!という事である。


だから僕は当時、綺麗なお姉さんが来店した時にドキドキしながら一皿に3ネタのせてサービスしていた。


まぁ…結果は…。


そのサービスをしたお陰で、その後にどうのこうのは無かったが。苦笑


ただ、僕の友人が来店した時には同じように一皿に3ネタのせてサービスしていた。


『他のお客様に見られないように早く食べろ!』


と伝えて友人は喜んで一口で頬張った。


もちろん、その寿司はワサビをたらふく入れていたので友人はめちゃくちゃ咳き込んでいたが。大笑


今考えるとめちゃくちゃ遊んでいたなぁ〜。


もちろん、仕事としてやる事はやっていたと思います。…多分。。。




僕の事を気に入ってくれていたそのオーナーは何店舗がお店をもっていたが、寿司屋のオープンして半年ぐらいは誰よりも朝早くお店に来て出し巻き卵を作っていた。


180cm以上の身長で横幅もあり身体も大きかった。

いつも、ヨレヨレの白いシャツを着て黒の太めのズボンを履いていた。


早朝のお店のキッチンに立つ大男。

半袖のTシャツからのぞく太い腕で出し巻き卵を作るその後ろ姿はマジでカッコよかった。


こんな大人になりたい!と思ったのを覚えている。

って言うか、今だにこんなにリアルにその後ろ姿を覚えている事に自分でも驚いている。


でかくて大きな手で作るその繊細な出し巻き卵はいつも見事に綺麗な黄色だった。

常連のお客様も、まさかあんな大男が作っているとは知らなかったと思う。


『ヒロト、作ってみるか?』


それから、僕に出し巻き卵の作り方を教えてくれて僕が出し巻き卵も担当する事となった。

※お客様に提供するまでに、めちゃくちゃ卵を無駄にした事は言うまでもない。。。



僕は結果的に朝9時から午後16時まで寿司屋で働き、16時30分からラストまでカラオケボックスで働く生活をして上京した後のお金を貯めた。


そして、お金を最低限に貯めて

上京する為に2つのバイトを辞めた。


その寿司屋のオーナーの所に行って僕は辞める理由とお世話になった事を伝えた。



…。


オーナーは僕に話をしてくれた。


『次に店を出そうと考えていた。』


『ヒロトがやりたい店をやらせようと思っていた。』


『お金は〇〇〇〇万円準備資金としてある。』


えっ!!!!。。。



今思えば、それが嘘かもしれない。

冗談だっのかもしれない。


当時の僕は本気でその話を聞いた。



僕には無理です…。

夢があるんです。


と伝えたら、


『その夢が叶わなかったら、地元に帰ってこい。またヒロトにお願いする。』


と言われた。


…。


僕はその言葉の意味が深くはわからないまま、ただただ嬉しくて深々と頭を下げた。



そしたら、何故か?

オーナーはポケットから5万円を無造作に出して


『頑張れよ!』


っと言ってくれた。


そのオーナーは話しを沢山する人ではなかったが、そのオーナーから教わった。


“サービス精神”


“仕事を楽しむ”


この言葉は今の僕を作ってくれている。

これからも忘れないでいる。


この出来事も確実に僕の自信となり、上京する後押しになった。



◎結論

カラオケボックスで歌を唄うことが大好きだと言うか自信がつく。


仕事は心から楽しみながらやっていい。





つづく。


※上京する前に一度金髪坊主にした。


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広音(ひろと)

広音(ひろと)
身長:172cm
生年月日:1979.3.15

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