親子で読む絵物語・第1話「青い鳥」10
「青い鳥」
原作・メーテルリンク 文・水野英子
10・森の大王、柏の木が現れました。
「きこりの子供とな?おまえたちは我ら一族を
どれだけ殺戮して来たか知っておるのか!」
「そんなこと、ぼく知らないよ」
「見て!大王の肩に(青い鳥)が止まっているよ!」
チルチルがささやきました。
「こ奴らにも死を!」
木々は轟々とうなりました。
「ぼっちゃんたちに何をするんだ!」
イヌが大王に飛びかかろうとすると
ツタがイヌをぐるぐる巻きにしました。
回りじゅうから襲いかかろうとする木々を相手に
チルチルはナイフを抜きました。
「早くダイヤを回しなさい!」
チルチルがダイヤを回すと森はすっかり元の森にもどりました。
「怖かったよ。でもあの(青い鳥)どこへ行ってしまったんだろう」
鳥はまだ見つからないのでした。
(つづく)