デカくしたかったら有酸素は控えめに!
私は常々、「ウェイトトレーニングの効果を出したかったら、有酸素はやり過ぎないほうが良い」と主張してきているが、2012年のノルウェーの研究にて、それを証明することができた。
この実験では「ウェイトトレーニング群」と、「ウェイトトレーニング+サイクリング群」に分け、12週間後に測定を行った。
その結果、ウェイトトレーニング群のほうは筋肉量が1kg増えたが、ウェイトに追加してサイクリングを行ったほうは殆ど筋肉量が増えなかった。
またウェイトトレーニング群がスクワットの筋力が35%増加したが、サイクリング追加群のほうが25%の増加にとどまった。
さらにジャンプスクワットにおいてウェイトトレーニング群が13%の改善が見られたが、サイクリング追加群のほうが6%の改善にとどまった。(※1)
なお、有酸素とウェイトを同時に行っても問題なく、むしろ両方やったほうが良いとする研究もある。
こちらは片脚はウェイトだけ、逆の脚は有酸素をやった6時間後に同じ量のウェイトを行わせて、ウェイトトレーニングの3時間後に測定を行ったというもの。片脚ずつ調べたのでは全身的な反応と異なってくる可能性大であり、また有酸素の6時間後にウェイトというのも、通常ではありえない話である。
また長期に渡って調査したわけではなく、その日一日の反応を調べただけ。よって長期に渡る有酸素運動の影響を考えるうえでは、あまり参考にはならないかもしれない。
なぜ有酸素運動はウェイトトレーニングの効果を抑制してしまうのか。理由としては、主に下記のものが考えられる。
・消費カロリーの増加
・コルチゾルの増加
・UCPの減少
・速筋→遅筋への移行
・疲労回復能力の低下
では、ウェイトトレーニングの効果を損なわずに心肺機能を高めたり、体脂肪を減らしたりしたい場合にはどうするか。
そこでHIITの登場である。HIITならばUCPの減少や速筋→遅筋への移行は起こらない。ただしやり過ぎれば、コルチゾルの増加や疲労回復能力の低下は起こりうるだろう。
だいたいの目安としては、週に3回程度まで、1回のプロトコルで10分程度までに抑えておけば、問題の起こらないレベルだと思われる。
※1:
High volume of endurance training impairs adaptations to 12 weeks of strength training in well-trained endurance athletes.
Eur J Appl Physiol. 2012 Apr;112(4):1457-66. doi: 10.1007/s00421-011-2112-z. Epub 2011 Aug 11.
※2:
Aerobic exercise alters skeletal muscle molecular responses to resistance exercise.
Med Sci Sports Exerc. 2012 Sep;44(9):1680-8. doi: 10.1249/MSS.0b013e318256fbe8.
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