男性用避妊注射の研究
テストステロンとプロゲステロンを使った注射みたいでこれで精子の数を減少させるらしい。
副作用は抑うつや勢力増強らしい。
最近の 男子は草食系と言うかそもそも性欲があんまり無いみたいだけど需要はあるのかなぁ〜…。
まあ、必要な人には必要だろうから大切な研究ですね!
男性用の避妊注射にある程度の有望性が示されたが、依然として効果の向上と重度の副作用への対処に課題が残るという。世界保健機関(WHO)リプロダクティブヘルス研究部門のMario Festin氏らが今回実施した国際的な臨床試験では、避妊注射の有効性は他の避妊法と比べても良好だと示されたものの、副作用が高頻度にみられたため早期に中止された。
米クリーブランド・クリニックのEdmund Sabanegh氏によると、テストステロンをベースとした男性用の避妊注射という構想は数十年前からあったという。この注射により、精巣でのテストステロン産生を停止させ、精子をつくるために必要な高濃度を満たさない状態にできるが、抑うつ、気分変動、性欲増大などの副作用の問題が常にあった。
今回の試験では、テストステロンを別の性ホルモンであるプロゲストゲンと併用することにより、副作用を制限するとともに効果を増大させることを目標とした。
研究グループは世界7カ国から18~45歳の健康な男性320人を集めた。被験者はいずれも精子数が正常で、18~38歳の女性パートナーと1年以上、1対1の交際関係にあった。被験者に8週間ごとにテストステロン/プロゲストゲン注射を投与したところ、そのうち274人では精子数が目標値の100万個/mlまで低下した。このうち266人について研究を継続した結果、妊娠率は100人あたり1.57人で、これは他の可逆的避妊法と同程度であったという。
Sabanegh氏は、精子数が100万個未満でも妊娠は可能だと指摘し、本研究でも4件の妊娠が成立していることから、目標値として不十分ではないかとの疑問を呈している。
また、この注射に関連する可能性の高い副作用が771件発生し、特に挫瘡(にきび)、性欲増大、筋肉痛、気分障害および情緒障害がよくみられた。20人が副作用のため脱落し、最終的には本試験の早期終了に至ったという。試験中に1件の自殺が発生しており、注射とは無関係とされているものの、「少々警戒すべきものである」と、米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のElizabeth Kavaler氏はコメントしている。
それでも、75%以上の被験者が将来的にこの避妊法をぜひ利用したいとの考えを示した。Sabanegh氏とKavaler氏はいずれも、男性用の避妊注射を完全なものにするための研究が続けられることを期待している。「男性が責任の一部を負うことができれば、避妊の状況は改善される。責任を負いたいと思う男性も多く、われわれはその選択肢を提供する必要がある」と、Kavaler氏は話す。
今回の結果は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に10月27日掲載された。