少しずつ体調は良くなってきたものの、本当に少しずつで、今回の風邪は本当に治りが遅く、未だ鼻水鼻づまりと、そこから来る頭痛に苦しめられています。「今年の風邪はしつこい」なんて言葉を毎年聞くような気がするけど、俺にとっては今がその言葉を使うときのようで。

3月の試合以降、過去最高に格闘技への思いが強くなっている今の自分にとって、この風邪で練習できずにいる1週間という時間は本当に苦痛の時間だけど、他の誰のせいでもなく、全ては自分の体調管理の甘さから生じたものなので、これはもう仕方ないですね。自らの認識の甘さを反省し、今後に繋げなくてはなりません。

オーバーワークになるくらい肉体を酷使していた先々週は、疲労が溜まっているのに動きは過去最高に良いし、スパーの本数もこれまでよりも全然重ねられるし、そんなことから本当に若返りを実感していたくらいで、こりゃまだまだ休まなくてもイケるんじゃないかとも思えたんだけど、

そうやって肉体的な調子の良さに心まで調子に乗ってしまったところに、これまでにないくらいの格闘技への想いが、休んだら上達が遅れるんじゃないかという恐怖といった悪い形になって重なってしまい、4週間に渡って土日含め1日も練習やトレーニングを休むことが出来ませんでした。まったく年甲斐もなく恥ずかしい話です。

しかしこうして実際に体調を崩してみると、そんな考えが如何に馬鹿げたものであったかということが身に沁みて感じられます。過去最高の動きの良さであったコンディションやシェイプに、やはり過去最高であった練習の量と密度の濃さ。そしてそこから来る充実感と満足感、更には練習が充実していることによって生まれる充実した生活サイクル……。この1週間で失ったものは、いったいどれくらいあるんだろうか。味覚も未だ死んだままだし。

そう考えると、体調を崩す前に1日だけでもゆっくりと休みを取っていたら……とか、風邪を引かないで済むんなら2日休んだって良かったよ、とか、今になってはもうどうにもならないことを一日に何回も考えてしまっています。

そんな中、今日ゆっくりとトレッドミルを走りながら色々なことを考えていて思ったのは、今回のこの失敗は恋愛に例えてみると、やっと付き合うところまで持っていくことができた女のコのことが、もう好きで好きでしょうがなくて、会いたい、一緒にいたいとあまりに自分本位に突っ走り過ぎた結果、相手に辟易されて距離を置かれてしまったような、誰しもが若かりし頃に一度や二度は経験した、俺の場合は20と29のときにやらかした恥ずかしい失敗に感じが似ているかも知れないな……なんてことだったんですが、

それによって生じた練習できない苦しみは、以前よりも格闘技が、もう好きで好きでしょうがなくなっている分、以前よりもハンパなく大きいので、全く何て馬鹿なことをしたんだと、海よりも深い心の底から後悔&反省しています。

でもこの失敗は今回していなかったとしても、いつかはしていただろうな。というのも原因が、以前よりも格闘技が、もう好きで好きでしょうがないという気持ちによるものだったので、そういった気持ちになる以前に経験したような試合前のオーバーワークとは、俺の中ではまったく次元の違うもので、言ってみれば初めて経験するタイプのオーバーワークなんですね。だから1回失敗しないと分からないものだったと思います。

勿論、今後は同じ失敗を繰り返すことなくやっていきたいと思いますが、でも常にギリギリのところでやっていないと、ピラミッドの頂点が以前とは比べ物にならないくらい高くなったこの世界のトップ戦線に食い込み、喰らいついていくことは難しいと思うので、その辺りのギリギリのラインの見極めをしっかりして、これからも高倉……

いや、健さん？

じゃなくて、研鑽していきたいと思います。

 

と、今日はまるで過去2年間、毎週日曜日に書き上げていた『KamiproMove』のコラムのように長くなりましたが、でもこうやって今の自分が考えていることを活字にすることで、自分の中でも今回の失敗に対しての気持ちの整理を付けたかったんです。そんな文章にお付き合いいただき、有難う御座いました。

しかしそれにしても文章が長い上に、カタイですね。でも、掌を開いた状態で親指の角度なくらいカタイので……それにそこそこの長さもあるし……ついでに太さも……

 

今日のところはこの辺で。