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今更だけど、今だからこそ

70kgからの撤退を決めて半年。
 
そして、もう一度世界で戦うためにと、大きな希望を胸に70kgに階級を下げてからは3年…
 
70kgではコンディションも、そして体重もなかなか作れず、そんな状態では当然のように全然勝てなくて、
 
3年前に抱いていた希望とは裏腹に、この3年で、それまでのキャリアで築いて来たもの全てを失ってしまったと言っても過言ではない、それぐらいの惨憺たるものに終わりました。
 
結果、70kgへの挑戦は大失敗以外の何物でもなかったな…
 
そのトドメというか結末というか、オチとして、11月の試合後に、長期に渡る過度なダイエットが原因で、LOH症候群という男の更年期障害になっていると言われ…
 
男なのに更年期障害??
 
LOH症候群については、検索を掛ければ多くのサイトで語られているので、興味のある方はチェケラッチョしていただくとして、
 
昔からお世話になっている先生が、今、そのLOH症候群の患者さんのリハビリ指導をしていて、その先生に昨年11月の試合後に久しぶりに会ったときに、最近の自分のことを色々と話したら、そのLOH症候群のテストをされて、その結果が、かなり重度の症状だと。
 
あなたの場合はその原因が無理なダイエットや減量にあるのは明白だから、先ずはそれをもう一切止めて、毎日しっかり食べてサプリメントも取ってトレーニングもガンガンやって、筋量を階級を下げる前に戻しなさい。そうやって男性ホルモンが活性化するような毎日を送らないと、良くなることはないよ!
 
そんな事を言われました。
 
その前の週に和雄に呼び出されて、もう77に戻して、最後にもう一度総合やりましょうよ!と言われていたこともあって、この先どうするか、これは道はひとつしかないのかなと、そう思うに十分なタイミングで。
 
そんな二つの出来事が重なったことで、77kgに戻してもう一度総合をやるしか道はないのかなぁ、なんて思うようになり始めたんだけど、
 
それでも、その半年前に総合引退を表明したことを考えたら、その舌の根も乾かぬうちに総合復帰ってのは余りにもカッコ悪いだろ…
 
という思いも強くあって、なかなか気持ちの踏ん切りが付かず、三崎和雄引退興行の、自分の出番直前まで迷いはあったんだけど、
 
でも、和雄が用意してくれた機会を無には出来ないと、えーい儘よ!と総合復帰を口にしたら、それで肚が決まったと言うか。あぁ、本当にまた総合をやるしかないんだなと、気持ちが少しずつ前を向き始め…
 
そうやって、ウェルター級で総合に復帰することになったのでした。
 
それ以降、先生の教えに従ってリハビリをして、心身ともに少しずつ回復していき、
 
今年4月にウェルター級で総合復帰戦を組んでもらったんだけど、結果はご存知の通り、惨敗にも程が有るというくらいのダサい敗北。
 
2年以上掛けて削ってきた身体を半年足らずで戻すのは、さすがに無理があって、全然準備が間に合わなかったと言うね…
 
それについてはまた改めて触れることもあるかも知れない、ということにして、
 
今もまだ日を追うごとに元気、活力が戻ってきていて、少しずつ昔の感覚を思い出し、その度に、あぁ、昔はこんなだったなと、懐かしく思ったりしています。
 
その懐かしい感覚が甦ると、何かこう、長い眠りから覚めたような感じだな…なんて思ったりするときもあって。
 
で、目が覚めたら昔と状況が一変してしまっている、という、まるで浦島太郎のような気持ちになってみたり…
 
そんな中で、2年以上に渡った70kg級への挑戦を、だいぶ客観的に見られるようになってきたんだけど、
 
結局、心のバランスを崩したのも、なんてこたぁない、過度なダイエットが原因でそうなっていただけだったというね…
 
それを昨年6月の会見で、いや実は鬱病になってどうたらこうたらなんて一人で大騒ぎしやがって、あれは今思うと本当に恥ずかしいわ。
 
総合引退を表明したことと、ベラトールでの試合後の会見でもらったスタンディングオベーションが、一時的な対症療法のような効果をもたらし、それで少しハイになっていただけで、ダイエットを止めないと根本治療にはならないのに、
 
そうとも知らず、それからまた通常体重を74kgにしようだなんて、更なるダイエットに突っ込んで行き、それでも9月の試合で体重オーバーして、ダイエットはますますヒート。
 
肉体的にも精神的にもどんどん削られて、更なる深みにハマって行き…
 
これを間違った方向への努力以外の何と呼ぶのだろう。
 
その結末として、11月の試合では、初めて70kgで試合をした、あの悪夢のナラントンガラグ戦の記憶が甦るようなコンディションの悪さ。
 
これだけ色々と頑張って来たのに、ここに来て、またこんなふりだしに戻ったような最悪の結果になるなんて、もうこの先どうしたらいいのか分からなくなってしまい、その試合後の控室では不貞腐れて投げやりな態度になって、
 
サポートに来てくれた和雄、サコ、野木さん、センチャイ会長、山本先生…皆さんに本当にみっともない所を見せてしまった。誰も何も言わずにいてくれたけど、さぞ不快な思いをさせてしまったことだろう…
 
今となってみれば、努力する方向が180度、どころかぐるっと回って360度+180度で540度違っていたってくらい間違っていた訳だから、そりゃ結果なんて出ないのは当然なんだけど、
 
そのときは、頑張っても頑張っても状況は悪くなる一方で、もうさすがに頑張るエネルギーも尽きて、これ以上どうすればいいんだよ、もう頑張れねぇよ…と、遂に進退窮まった、そんな感じでした。
 
いま振り返ると、そんな自分が本当に愚かで情けなくて、なんかこう、我が事ながら笑うしかないですね。
 
540度間違った方向に努力のベクトルが向いていたんだから、いくら頑張っても結果なんて出るハズもなく、寧ろ頑張れば頑張るほど全てを失っていくのに、全てを失うために頑張っているようなものなのに、そうとも知らずにそこでもがいて苦しんで。 (苦笑)
 
そんなことを2年以上に渡って続けていて。(苦笑)
 
そら結果なんて出るハズもなく、
その成れの果てが今の私の姿ですよ。(嘲笑)
 
頑張る方向を間違えると、正しい方向に努力をしたときに比べて得るものが少なくなるどころか、それまでに築いてきたもの全てを失うこともあるという、悪い見本になりました。
 
本当に色んなものを失った。
3年前の俺と今の俺を比べると、絵に書いたような、これ以上ないくらいの転落っぷり。
 
本当に悔しくて、3年前、階級を下げるという決断をしていなければ、あのままウェルター級で戦い続けていたら今頃はどうなっていただろうかと、しょっちゅう考えるわ。
 
少なくとも、今のような酷い状況にはなっていなかったに違いない。
そうとしか思えない。
 
UFCから、ライト級なら契約してもいいよとの話を貰い、それでライト級に落として、数戦こなして70kgに身体が慣れてからUFCに行こうと目論んで、見事に失敗したんだけど、
 
もしウェルター級のままでいたとしても、あれから日本国内やアジア、ヨーロッパのプロモーションで好成績を残していたら、日本やアジア圏内で大会を開くようになって、3年前よりも日本人選手の需要が高まったUFCと再契約出来た可能性は、少なくとも今よりは高かっただろう。
 
量ミスを繰り返すことで選手としての信頼を失うことも無かったし、何より、心身の健康を損ねること無く、それまでと変わらない活力に満ちた時間を過ごすことが出来ていただろうな。
 
そう考えると、俺は何てバカことをしてしまったんだ、と。
 
明と暗がハッキリと別れる人生の分岐点で、思いっ切り暗の方を選択してしまった訳だ。
 
あのとき間違った選択をしていなければ、俺の人生には、まだ色んな可能性があったんじゃないだろうか。
少なくとも、今よりは楽しいものになっていたに違いない。
 
本当に悔やんでも悔やみきれない。
一度しかない人生を、今よりも比べ物にならないくらい豊かなものに出来たかも知れない、そんな可能性を自らの選択で捨ててしまったんだから。
 
とは言え、あのとき、あの状況では、俺なら出来るという自信と希望、今思えば大いなる勘違いに満ち溢れていて、それを疑問視する意見も周囲にはあったんだけど、そんなものには耳を貸さない状態で突っ走っていたから、ライト級に落とすという選択は、どうあったってしていたし、
 
それに今、こんなことを言ってもどうにもならないことは、百も千も万も億も承知なんだけど、そういう思いはどうしたって捨てられない。
 
きっとこの思いは、死ぬまでずっと消える事はないだろうな。
あのとき、あんな選択をしていなければ、俺の人生はもっと違ったものになっていたのにと、いつまでも思い続けるだろう。
 
そしてこの3年間、いま元気になってみてよく分かる、心身ともにとても健康とは言えない状態で、あまりにもみっともない姿を晒し続けた、そんなものを、これだけ長く続けてきた格闘技選手としての最後にしたくない。
 
だから今でも、こんなみっともないくらいボロボロ(自分ではそこまでとは思ってないけど、どうも周りにはそう思われているらしい)になっても、まだこの世界から離れられずにいます。
 
当初は、和雄がそう言ってくれたから、そして、もう身体的にライト級は無理だと分かったからというのが、もう一度総合で、ウェルター級で戦う理由だったけど、今はこれが何よりの理由ですね。
 
体育館のアマチュア大会からPRIDEの地上波、そして北米まで、格闘技選手として全部やり切った郷野は何故まだ戦うのか?
 
4月の試合前、そんな記事を読ませてもらったけど、やり切ったとか、達成感とか、今の俺にはそんなものは全く無くて、胸にあるのはこの3年間の後悔と、まだやれる、俺はこんなもんじゃない!という、見てろよチクショーな気持ち。
それだけなんだよな。
 
でも冷静に考えて、階級をウェルターに戻したからと言って、格闘技選手としての能力もあの頃に戻る訳ではなく、どころか、この3年の間に、加齢と無理なダイエットの合わせ技によって、能力的にも色々なものを失ってしまっている。
 
練習環境も厳しくなってきている。
 
そんな状況で、もう一度ウェルター級で戦って、一体どれだけの戦果が見込めるだろうか?
 
見込みは全くありません。
 
今もトレーニングで、練習で、思い通りに行かない事ばかりだし。
以前のように動けねぇし、疲れるの早いし、疲れ抜けるの遅いし。。。
 
また何年か後になって振り返ったとき、今回のこの決断も、また間違った方向への努力だったなと思ってしまう、その可能性は……少なくないのかも知れない。
 
もしそうなったとして、そのときは、またどれだけビッグな後悔に包まれているのだろうか…
 
それでも今の俺は、もう一度戦わずにはいられないんだわ。
 
この3年間のケツを拭いてからでないと、拭けなかったとしても拭くことにチャレンジしてからでないと、次の道に進みたくても進めねぇ。
 
そんな気持ちです。
 
で、そんな気持ちに任せて先週は練習をやり過ぎて、週末から体調を崩してしまった…
 
それで今練習が出来ないでいるから、練習できないでいる鬱憤と、この3年間の後悔を、こうやって活字にぶつけてみました。
  
体調を崩した初日は、あぁ、俺もまた疲れ過ぎて体調崩すほどの練習ができるくらい元気になったんだなぁ…と、これまた懐かしく、そして少し嬉しい気持ちもあったんだけど、
 
なかなか回復せず、家に居る時間が長引くに連れ、選手として残り少ない時間を4日も無駄にしてしまった、5日も無駄にしてしまった、遂には一週間も…と、これまた後悔に包まれています。
 
後悔ばっかりじゃねえか…
今の俺は後悔が服を着て歩いているようなもんだな。
今はパンイチで寝っ転がってるけど。
 
でもこうやって活字にこの胸の思いをぶつけることで、こんな愚か者を、今でもまだ応援して下さっている方に、今の自分の思いを少しでも伝えることができたのなら、まぁ良しとしよう。
 
良かねぇけど。
 
そして、もうこんなオーバーワークで残り少ない時間を無駄にするようなことは二度としねぇ。
 
と、これまたかつて何回もやったことを、懐かしさを覚えながら繰り返すのでした。
 
 
いま胸にある思いをぶつけていたら、またエライ長くなってしまった。自分史上最長文だな。
 
色んな活力が戻って来るに連れ、ブログをまたちょいちょい更新する元気も戻って来てる感じがあるので、また近いうちに更新する可能性は少なくありません。笑
 
そして活力といえば、男として一番大切なあの活力も完全復活したので、それについても書かなければ。
 
内容が内容だけに、表現には注意せにゃなりませんが…
 
そのときは、またお付き合い頂ければと。
 
 
長文駄文、ご精読ありがとうございました。


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プロフィール

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郷野 聡寛(ごうのあきひろ)
体格:176cm 78kg(試合時体重70kg)
経歴:第4代全日本キックボクシング連盟ヘビー級王者、PRIDEウェルター級GP2006第3位
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