清志郎さんのライヴは、
一度だけしか行ったことがなかった。
それも、武道館の。
あの時、清志郎さんは自転車でステージに登場して
「みんなも、ガソリン使って汚い排気ガスばっかり出してないで、自転車のりなよ、ベイベー!」って言って歌い始めた。
石油会社がスポンサーのライヴだったのに(^^ゞ
カミさんは、清志郎さんの大ファンだった。
朝刊を読みながらコーヒーをすする僕がびっくりして叫んだ。
「忌野清志郎が死んだ!?」
目の前のカミさんは、絶句したまま何分も脱力した感じだった。
きっと、日本中でこんなファンがたくさんいたことだろう。
「お別れの会に行けなかったから」と言って、CDを買いに行ったカミさんは、DVDを買って来た。
なんでも、CDは全部売り切れで、たった一枚だけ残ってたDVDだったという。
2008年2月10日
日本武道館での完全復活祭。
ガンから復活した清志郎さんは、画面の中で楽しそうに歌い、綺麗な汗をいっぱいかいていた。
歌うことを奪われるのは死ぬのと一緒だから、取らなくちゃならないはずの声帯を残した彼は、
「抑えて歌おうと思ってたけど、やっぱり目一杯声出して歌っちゃうぜ、ベイベー!」って。
熱烈にサポートしたり、
人生に欠かせない存在だったりするファンに比べたら、忌野清志郎さんをほとんど知らないと言っていい自分だけど、後先考えないで目一杯に声を出して歌いたかったんだという気持ちは、何だかすごく解るような気がする。
それにしても、
この武道館の映像から受ける何とも言えない空気感は、最近ライヴをしてない自分にとって、胸苦しいほど影響を与えてくれるのだ。
ファン、メンバー、仲間たち。
幸せだっただろうなあ、清志郎さん。
やっぱり、「スローバラード」の時は、涙出たなあ。