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敵は我に在り

皆様もご存知の通り、昨日はDynamite!!と戦極の大晦日興行に関する合同会見があり、俺も出席させてもらってきました。そこで俺はこの大会でマッハとやりたいというコメントをさせてもらったんですが、本当にあれで良かったんだろうかという疑問や、何か普段の俺と違うんじゃないかという違和感がそれからずっとありました。

俺は常々、特に誰々とやりたいというのはないと言ってきたし、それは今も変わっていないんですね。それでも昨日、あのようなコメントを口にしたのは、やはりDynamite!!という、日本で一番注目される大会に出場したいという思いが強いからだったんですが、果たしてそれで良かったんだろうか?と、会見の帰りの道中、車を運転しながら、そして家に帰ってからも俺の“原点”である本を読み返しながら、色々と考えました。

確かに大晦日に出場したいという思いが俺の中で強いというのは、これは誤魔化し様の無い事実。俺の選手生活も、確実にこれまでよりもこの先の時間のほうが短くなっている中で、こんな大舞台に立つことができるチャンスはそうそう無いと思うし、一格闘技選手としても大きな名誉ですからね。それに出場することができたら、何よりも応援してくれている人たちに喜んでもらえる。

そして大晦日のあの大舞台でマッハと試合が出来たら最高に嬉しいというのも本当にそう。マッハとはお互い修斗でデビューした頃からずっと一緒に頑張ってきた同期の仲間という思いが強く、ちょっと前までは試合をするなんてこれっぽっちも考えたことは無かったけど、いざこうやってその可能性が出てきたら、やっぱり戦ってみたいと思う色々な思いが俺の中にあることにも気付いたし。

でも、だからと言ってそういった気持ちが優先順位の一番になってはいけないよなぁ、と。

俺が一競技者として一番胸にあるのは、日々、競技能力を高める努力を怠らず、誰を相手に戦っても自分のスタイルで試合をコントロールし、そして勝つことのできる選手になるということで、そういった信念のもとで毎日小さなことを積み上げ、試合で結果を出していくことができれば、より強い相手、より大きい舞台というものは後から付いて来るという、そういうものであったはず。決して相手云々、舞台云々ではなくてね。

それに、自分が出られるかどうかなんて小さなことより、何よりもこの大会が、日本の格闘技界が一時の熱を取り戻す大きなきっかけになって欲しいというのが一番大切なことなんだよなぁ。俺が今こうやって、大好きな格闘技だけで食べていけているのも、あの頃の日本の格闘技界に熱があったお陰なのは間違いないワケだし、このまま日本の格闘技界の熱が冷めていってしまったら、そんな俺含め、色々な形でこの世界に関わっている人たちの中で、食い扶持を失う人も出てくるでしょう。それは本当に、そうなって欲しくないことですからね。

そして大晦日の大会は、一年間頑張った選手が出場することが出来るもので、今年の俺を顧みると、俺なりに一年間頑張ってはきたけれども、偉そうなことは言えないよなぁというのもありますしね。途中、エライ勘違いして大火傷しちゃったりもした年だったし、ちょうど今が時期のプロ野球の契約更改に例えれば、アップは望めず、現状維持がいいとこの成績だったし。

そんなことを色々と考えていたんですが、まぁ昨日の会見自体、出場候補選手のひとりとして登壇しただけで、具体的なことはまだ何も決まっていないようですからね。そしてこの先、今年の大晦日が格闘技界に熱を取り戻すきっかけの大会となるような、そんな出場選手や対戦カードが、主催者の意向やファンの声で決められていくと思うんですが、そこは俺がコントロールできる範囲ではないし、コントロールしようとしてはいけないところ。まぁコントロールしたくてもそれができるような政治力なんて俺にはないしね(笑)。だから、その中に俺の名前もあったらこんなに幸せなことはないと、そう思いながら、これまでと何ら変わりないトレーニングの日々を送っていき、出場が決定したら心身ともに最高の状態で臨む事ができるような準備はしっかりやっておく、それでいいんじゃないかと結論付けました。昨日の会見の俺のコメントがあれで良かったのかどうか、まだ疑問は残るけど、結果的に自分の正直な気持ちは具体的にハッキリと表明したワケだし、“人事を尽くして天命を待つ”ですね。

そして大晦日の出場が叶わなかったとしても、そのような外発的要因によって必要以上に凹んだり練習のペースが落ちたりすることのない、格闘技に対する揺るぎない内発的動機付け(今週のKamiproMoveの郷野コラム参照)は、今の俺の中にはしっかりあるしね。昨日の会見で、こないだの試合の2日後から準備してますって言ったけど、それだって別にマッハ戦に対する準備でも何でもなく、と言うかその時点では大晦日の話なんて何も知らなかったし、ただこの夏に目覚めた俺の格闘技に対する情熱がそうさせていただけですからね。ええ、手前味噌ですが。(笑)

とにかく大晦日に気持ちが向き過ぎたりすることなく、変わらず自分の足元を見て、毎日やるべきことをしっかりやっていく。それだけです。

前後裁断。一意専心。そして、敵は我に在り。

 

写真は昨日の会見時の俺。昨日は会見後、真っ直ぐ帰ったけど、こうやって普段はあまりしない格好をすると、そのまま帰るのが勿体なくなりますね。昔、女のコからのでぇとの誘いに応じられなかったときに、「今日は可愛いカッコしてるから見せたかったのにな…」なんて言われたことがありましたが(自慢)、なんかその気持ちがちょっと分かりました。まぁ見せる相手なんて今は誰もいないんだけど(哀)。でももし俺に彼女が居たら、間違いなくこの格好のまま会社や学校(今となっては40超えてからハタチくらいのコとの、そう、あの舘ひろし氏のような結婚も悪くないと思っている俺なので、学校も全然アリ)まで迎えに行って、そのままディナーと洒落込んでいただろうなぁと、そんなことを思いました。(笑)
※写真はスポナビさんからお借りしました

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郷野 聡寛(ごうのあきひろ)
体格:176cm 78kg(試合時体重70kg)
経歴:第4代全日本キックボクシング連盟ヘビー級王者、PRIDEウェルター級GP2006第3位
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