千葉は島だったのか。その5
なるべく水際を通るのがルールだけど、河川敷にあるゴルフ場を避けて頼り無さそうな小さな道を走る。
それは段々と細くなってとうとう森の中に消えてしまった。
現在地を調べようとGPS機能付の携帯をカバンから取り出すけど、ズルするみたいでやっぱりやめた。
しばらく勘に頼って走ると利根川の土手が見えて、家族総出で田植えをする姿が畦道に咲いた菜の花の先に見える。
正しい青空の下の田園風景だった。
その先にあった公園では、お父さんが小さな子供のためにバーベキューをしている。
土手にはお母さんとお弁当を食べる子供がいて、
サイクリングロードは親子で仲良く自転車を漕いで いた。
ゴールデンウィークの最中、たった一人でバカげた思いつきを実行している俺は、長男が無断外泊をした昨日の事を思い出した。
そんなことを怒れるほどちゃんとした高校時代を自分が過ごした訳じゃないし、男の子だからしょうがない。
でも段々とすれ違いが多くなっていく事に、たまらなく寂しさを感じた。
なんとなく一人でこのくだらない挑戦を完走する事が出来たら
ちゃんと子ばなれ出来るかもしれない、って思った。
今日のゴール「海まで91km」。
たまらなくキッズクラスの子供たちに会いたくなって、
少しだけ早く予定を切り上げてジムに向かった。