千葉は島だったのか。その2
灰色の厚い雲は、時々パラパラと思い出したように雨を落としていた。
ちょっとウソ臭い、真っ白な関宿城を後に利根川の土手を走る。
始めは牛の臭いが気になった。
もっと走ると菜の花の優しい匂いしか感じなくなった。
土手の下の川は茶色い塊になってにゴゥゴゥと流れて行く。
スタートしてすぐにあった「海まで120km」って気の遠くなるような案内が105kmに変わる頃、
新しいランニングシューズが合わない右足の親指が痛みだした。
いつの間にか厚かった雲は所々が破れて青い空が見える。
気温はグングン上がって、もうビールを飲まないと、ボトボトと汗をかいた身体は動きそうになかった。
芽吹橋って、古ぼけてはいるけど可愛らしい名前の橋の袂に座って野田市駅行きのバスを待つ。
ゴールデンウィークで混んでいる道路を、慌てたようにそのバスはバタバタとやって来た。
キレイで愛想の良いお姉さんがいた駅前の定食屋さんに駆け込んで、
この後にあるチビっ子空手のゴールデンウィーク特別クラスと、
来月に大会のある消防団のポンプ車操法の訓練分のエネルギーを充填。
遠くのほうが夏みたいに青い空に向かって走る東武線に乗ってジムまで帰ろっと。