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千葉はしまだったのか。その17



遠ざかる次女と次男の姿を心に焼き付けようと

僕は立ち止まった。

ボソボソと喋る次男の話を、

どこが面白いのか、次女はケラケラと笑いながら

振り返りもせずドンドンと先に進んでいく。

夏休みももう終わり。

次男は小学校を卒業して中学生になり、部活が忙しい。

次女は中3で来年は高校受験。

僕の子どもとして、一緒に遊ぶ最後の夏休み。

こんなふうに出かけることも最後だろうな、と思った。

だから、僕は彼らの後ろ姿を心のアルバムに焼き付ける。



夏休みの最後を迎えた子どもたちを走りに誘った。

既に親離れどころか家でさえあまり会う事の無くなった長女は、

まるで関心が無いようにテレビの画面を見続ける。

長男は大学受験の準備があると、すまなさそうに断った。

去年の夏、長男と走った南房総。

ゴール間近、二人で競争したあの海岸とは違うけど、

あの時、力強く僕を追い抜いていった後ろ姿は今でも鮮明に覚えている。

そんな思い出を次女と次男と創れたらいいな、と思った。

受験勉強の息抜き、と次女は言った。

旨いものが喰えるなら、と次男は言った。

なんでもいいから一緒に行こうと僕は誘った。

夜中に出発した僕らは前回のゴール、大原を明け方にスタートする。

走り始めて5kmほどで口ほどにも無くへばった次男のために、

山を越えた隣町の御宿をゴールにした。

車で南下して隣町の勝浦で、話題のタンタン麺を食べる。

スープをすするたびに咳き込む次男。

それを見て、やっぱりケラケラと笑う次女。

心のアルバムが子どもたちとの想い出で満たされていく。



まだ時間のあった僕らは鵜原まで行った。

もうお客さんもまばらな海岸は、南国みたいに綺麗だった。

普段あまり仲の良くない姉と弟は、

まるで小さな頃みたいに波打ち際でビショビショになって遊んでいる。

僕は防波堤に腰掛けて、もうすぐ走るであろうこの海岸線を眺めた。

でも、それはもう一人だってことに気がつく。

波打ち際ではしゃぐ子どもたちの姿が

キラキラと輝く海が逆光になって影のように浮かんだ。

あぁ、きっとこれが子離れなんだろうな、

妙に寂しい、そんな気持ちで最後の一枚を僕のアルバムに加えた。

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大成敦
ファイティングスポーツクラブ大誠塾所属
1967年10月3日生まれ
大阪府出身
血液型O型

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