「センセ、ゴメンネ」
控室に戻るなり、アリはつぶやくように言いました。
良いんだよ、お前は頑張った。
お前が悪いわけじゃない。
ジャディブ選手、数ヶ月前でしたら十分勝算がありました。
でも、試合当日身体の厚みが倍くらい増していました。
きっと厳しいウェイトトレーニングをしてきたのでしょう。
以前感じたバランスの悪さも矯正されていました。
多分、激しいフィジカルトレーニングをこなしたのでしょう。
何よりも自信にあふれたリングでの佇まいは、間違いなくK-1BEST16の選手です。
完敗です。
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」
その通りでした。
でも僕等は諦めたわけではありません。
アリとの約束。
もう一度、這い上がろう。
応援して頂きました皆様、勝つ事が出来ず申し訳ありませんでした。
でも、アリはまだまだ頑張ります。
引き続き、応援よろしくお願いします。
追伸
ジャディブ選手の鋭い膝蹴りを額に思いっきり食らったアリですが、
精密検査の結果、命に別条はありませんでした(少々凹ましたが)。
ご心配をおかけしてスイマセン。