ロシア紀行 その7
ある意味、プロなのかな。
試合を見た後に、こんな気持ちになるなんて。
メインイベントのボブ・サップが入場してくる。
星条旗をまとい荘厳なテーマ曲で。
対するはヒョードルの弟、アレキサンダー。
VS アメリカ。
まぁ、分かりやすいテーマではある。
アレキサンダーが入場すると、
この分かりやすい構図に、観客のボルテージは最高潮に達した。
サップは、まるでアメリカのほうが上だ、といわんばかりに星条旗をかざして試合を待つ。
試合が始まり、
しばらく離れて闘っているうちは、まだ威勢の良かったサップ。
転ばされてマウントに入った途端、突然のギブアップ。
当然予想も出来たし、ロシアの観客が期待していた終わり方であるにもかかわらず、
あっけにとられて一瞬静まり返った会場がブーイングの嵐に包まれる。
俺は日本って国が大好きだ。
特に海外に出るようになって余計そう思うようになった。
「オマエは何人だ?」って聞かれて、
胸を張って「日本人だ!」って、いつも答えたいと思っている。
自分の国を切り売りするような闘いって、
キライだ、と強く思った。