快調、怪鳥。
なんという鳥なんだろう。
快調に走っていた2周目の池の畔で見つけた、
なんだか結構デカイ鳥。
近づいてもあまり気にする風も無く、
グェェと鳴きながら魚を啄ばんでいる。
別に飼うつもりも、
喰うつもりもないけど、
なんとなく捕まえたくなった。
そんな気持ちを大事にしたい。
あともう少し。
そんな距離まで来たとき、
その鳥はでっかい翼を広げて
バサリ、バサリと池の真ん中にある島まで飛んでいった。
本当は捕まえられたかもしれない。
でも、急に羽を広げたその鳥に、
僕は臆したのだと思う。
まだまだだな、
そう思い直して
僕はもう一周、その池を走ることにした。
3周目を走り終えたとき、
紅葉を迎えた小さな島で、
その鳥はこちらをチラリと見る。
そしてグェェと鳴いた気がした。