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千葉は島だったのか。Great Adventure編 その1

 東の空から神々しい光が降り注ぐその道を振り返る。

高さは30mはあろうかって崖の上にある、もう誰も通ることの無い道。

本来の役割を終えたその道は、朝日を浴びて孤独に佇んでいた。


 そこに廃道となった県道があるって知ったのは1年前。

トンネルとトンネルの間にある小さな集落に、たまたま長男と寄ったときだった。

鴨川に向かう途中、ちょっとだけ見えたあまりに綺麗な景色に誘われて国道となっているバイパスを無理やり曲がる。

小さな集落に降りることができた。

そこいは小さな入り江があって、おとぎの国のような小さな港があった。

急斜面にへばりつくように民家が建っていて、見上げると

たった今まで走っていた毒々しい赤い橋げたのバイパスが右の山から左の山へ、やっぱり小さな空を覆うように貫いている。

鴨川方向の山に沿うようにして走る幅の狭い道は、釣り人なのか地元の人なのか、たまに車が通っていた。

昔は道でした、みたいな筋がもう片方の山肌に張り付いていて、

僕と長男はそれが道なのかどうか確かめずにはいられなくて、その一番端まで行った。

そこはかすかに道であった形跡があったけど、行く手は雑草がコンモリと茂っていて数メートルしか進めない。

ならば反対側からのアプローチと、トンネルを戻ってみる。

でも、反対側の一番端は目も眩むような崖の上にあって、気持ちも折れて残念な気持ちで諦めた。

あれから一年。

高所作業に慣れた友達が出来た。

その友達はナベちゃんとって、価値観の近い僕らはすぐに仲良くなった。

そして、その残念な気持ちも共有できて、下らないことに意気投合する。

ちょうど前回走り終えた行川に向かって、朝4時に市川を出発。

僕は、遠い昔小学校の遠足前夜以来の、明日が楽しみで眠れなかった半分しか開かない眼をこすった。

そこはラブホテルの入口でもあって、男二人の僕らは少し気まずい思いで車を停める。

山を切り開いたような遊歩道の先には大きな石碑があって、その先は1年前と変わらない目も眩むような高さから日の出が近くなりつつある濃い青の海が見えた。

ナベちゃんは、唐突に行く手を阻む雑草を掻き分け始めて、

いとも簡単に草にうずもれたフェンスを越える。

背の丈以上に生えたススキが邪魔で見ることは出来ないけど、確実に数メートル先は30メートル以上の崖。

僕はビビりながらナベちゃんの後を追った。

ガサッって草のすれる音と共に、少し先を行くなべちゃんが突然視界から消える。

マジにビビった。

「無謀な中年、崖から滑落死」そんなタイトルの新聞記事が頭をよぎる。

「おおぃ!大丈夫かぁ!」反射的に怒鳴りながら急いで草をかけ分けて進んだ。

ナベちゃんは、ばったりと僅かなスペースに倒れこんでニヤニヤしながら空を見上げていた。

安心した僕はニヤリと笑い返す。

草の根の部分、しっかりとした足場を選んで進む。

と、唐突にその雑草の茂みは終わり、なだらかに下るむき出しのコンクリートの道が続いていた。



道のヘリに生えたススキが風に揺れている。

その向こうには、大きな大きな海が果てしなく広がっていた。

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大成敦
ファイティングスポーツクラブ大誠塾所属
1967年10月3日生まれ
大阪府出身
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