千葉は島だったのか。Great Adventure編 その2
もう使われることの無い道は、無機質な灰色のコンクリートに被われていた。
でもその下は確かに人が踏み固めたもので、微かにそのぬくもりが伝わってくる。
たった50mほどだけど、難所を乗り越えてきた僕らはその僅かな温かさにホッと胸をなで下ろした。
僕らはコンビニで買った安い弁当を広げる。
目の前には視界に入りきらないほどのキラキラとした朝日を浴びた海。
贅沢な風景をオカズにすると、その弁当は極上の味がした。
人も車も通る心配の無い道で僕は大の字になって
今度は大きな空を見上げた。
そして、楽しみで眠れなかった前夜を思い出して大きなあくびをする。
横にいたナベちゃんがいない。
首を持ち上げて視線だけで探すと、
少し離れた一番ヘリで
海に向かってタチションをしている彼を見つけた。
高いところが生理的に苦手な僕はハラハラしながらも、
そんなことができたら良いな、って普通は思うだけのことを素直に実行してしまう彼が
とても羨ましく思えた。