日本最北端の地、稚内。
我々はこの地で生まれ育った。
利尻、礼文、樺太を望む
宗谷海峡。
百年記念塔、氷雪の門、北門神社。
宗谷岬にノシャップ岬。
塩ラーメンにタコしゃぶ、宗谷牛、ホッケに宗八。
抜海のアザラシ、キタキツネ、エゾシカ、オジロワシなどの動物たち。
風車群に流氷の景観。
稚内の人が見たら、まだまだあるよと言われそうだが、ここまではガイドブックに載っているだろう。
我々の話に出て来たのは、勉強堂、松森書店、白金堂、給食センター、ロープウェイ、山下通り…。
私の好きだったタイガーの焼き鳥焼く機械。高林の4階の銀色の持つところが付いた台に収まっているソフトクリーム。
鰊漬け、ジャガイモに塩辛、カンカイ一夜干し、カジカの味噌汁、飯寿司……。
昆布の時期になると人手が足りなく学校休む生徒が数名いるのも当たり前。皆、日常の事柄だった。
“あの頃”
そんな話を東京の真ん中で『稚内』とついた名前の居酒屋で小学校からの同級生と語り合った時間。
“息子が成人した”とかそんな年代になったとしても“あの頃”と変わらない話をできて楽しかった。
“関東稚内同期会”。
たまには良いなと思った。
ノスタルジックな時間。
皆、内地にいても故郷を忘れてない。