チェチェン紀行 その4
欧州最大規模のモスクは怪しく夜空に輝いていた。
色とりどりの噴水の脇でたくさんの親子連れが涼を楽しんでいる。
未だ弾痕の残る壁。
間違いなく10数年前まで激しい内戦をしていた国なのだ。
塵一つ落ちていない街並み。
内戦が終結した数年前まで、無残に焼き崩れた建物がそこらじゅうにあったらしい。
下水設備の整っていない穴が開いているだけのトイレ。
グロズヌイから少し行けば一般的だそうだ。
結婚式は神式。お葬式は仏式。日本にはたくさんの宗教が溢れている。
国と国とを分ける国境は、日本においては海で隔されている。
肌や瞳も同じ色なのに全く違う言語でコミュニケーションをとり、
全く違う文化を持つ人たちを、僕らはあまり知らない。
世界は広い。
僕は、
僕が持つたった一つの
世界で共通するコミュニケーション手段である格闘技を介して
様々な経験が出来ることを幸せに思う。