チェチェン紀行 その7
イベント当日の朝、昨日と同じようにグルグルと会場のトラックを廻っていた。
始めは、ポツポツとだった警察官や兵士の姿がミルミルと増えていく。
挙句、僅か400メートルのトラックを1周するのに3回も止められてボディチェック。
頭に来たから無言の抵抗とばかりに完成したばかりのリングの上で座禅を組んでやった。
どこでやっても座禅はいい。
脚を組んで腹式呼吸をしていると、段々と周りの雑音が気にならなくなる。
まぁ、そんなキッチリと出来る上級者でもないので10分ほど。
目を開けるとヒゲモジャの屈強な兵士が数人、不思議そうに俺を見ていた。
彼らは大統領専門のセキュリティ。
態度がデカイのはエリートだかららしい。
俺のインチキ臭い座禅が東洋の神秘に見えたのだろう。
一緒に記念写真を撮ろうと言い出した。
横一列に収まる。
狭っ!おい、もっと間あけろよ!
ってちょっとだけ思ったけど、
怖そうだから言うのはやめた。