チェチェン紀行 その9
リングサイドでかぶりつくように見ていた。
チェチェンと北オセチアの選手の試合。
パンチの打ち方はどうか。
どうやって蹴るのか。
どんな戦術か?気持ちはどうか?
両選手とも、
気持ちは強いしパンチはうまい。
何より試合に飢えている、って感じがいい。
地元の声援に押されて2度のダウンを奪ったチェチェン選手の判定勝利。
俺の声援でコイツが勝ったんだぜ!っとばかりに会場は盛り上がる。
と、
リングの向こう側から、ギターの伴奏に合わせて
チェチェンの北島三郎(らしい)入場。
砂漠の向こうから聞こえてくるような寂しげな歌声は
会場中を一気にクールダウン。
なんとも粋な演出じゃない!
さ、次!
今度はチェチェンvsダジェスタン。
ヨーロッパのはずれの中東の近くで見る貴重な試合。
面白い。
これまた地元チェチェン選手の勝利でヒートアップする会場。
今度のクールダウンはなんだ?
当然、
チェチェンの美空ひばりでしょ!
その澄んで美しい歌声は、
お客さんの興奮と共に
スタジアムの空に舞い上がっていった。