名も無き勇者の活躍
このお祭りは小学校の校庭を借りて行われます。
だからお御輿や山車が出るような派手さはありません。
でも、子どもたちが楽しめるようにとボランティアの模擬店がたくさん出て、
卒業してもこのお祭りに来ると同級生に会えるから、たくさんの子どもたちが集まります。
本当にたくさんの子どもたちが来るんです。
今年は突然の雷雨が多発する、例年とは少し違った厳しい条件での開催。
懸念していた通り、開始直前に雷が鳴り出し大粒の雨が降ってきました。
雨だけならまだしも、雷はどうにもなりません。
急遽、学校の体育館を開放してもらって子どもたちを避難させます。
粛々と避難する子どもたち。
そこにはビショビショになって誘導する地元の消防団の方々がいました。
もう頭の先から靴の先までびしょ濡れで。
おかげで混乱することも無く体育館に避難できました。
でも、中は蒸し暑くて具合が悪くなりそうなほど。
今度は、同じ地域のボランティアスタッフで来ている中学生が立ち上がり、一斉に窓を開け始めます。
バタバタと、自分たちも汗まみれになりながら一生懸命に。
爽やかな空気が体育館を通り抜けて、子どもたちは再び元気になります。
何百人もの子どもたちが、何の事故も無くお祭りを楽しむことが出来たのは彼らのおかげでもあります。
本当はキッチリとお礼が言いたかったけど、引き際も鮮やかに帰ってしまいました。
きっと体育館に避難した子どもたちも、
もう少ししたらこんな格好良く成長してくれるんだろうな。
地域で育むってこんなことなんだな
笑顔で帰る子どもたちを見ていたら、
ふとそう思いました。
ありがとう。