クロアチア紀行その2
岡林先輩と僕の出会いは少し特殊だ。なにしろ、僕のデビュー戦の相手でもあり、その後レフェリーの基本を教わった先生でもある。
その試合で僕は鼻を折られた。いや、別に褒められて天狗になっていたところを挫かれたわけではない。
先輩は肘を僕の鼻に打ち込み、僕は多量の出血でTKO負けした。控え室に帰ると見事に曲がった鼻にビビッて自分で真っ直ぐにしたら余計鼻血が出たと言う小噺は、先輩と一緒に酔っ払うと毎回出てくる定番のエピソード。
「オマエ、優しい俺がそんなことするわけ無いじゃんか」って言いますけど、
先輩、未だに僕の鼻少し曲がってますから(笑)
それが僕の18歳の頃。その後時間は流れて僕がK-1でレフェリーをやるようになったときに、既に先輩は某キック団体で2000試合を越える経験を積んでいました。
K-1で一緒にやるようになってからは、細かいテクニックや対処方法なんかを微に入り細にわたって教えてもらいました。
K-1の海外遠征にもよく一緒に行きます。たいていは酔いどれて終わるオチが、もう20数年続いてる、そんな関係です。
そんな僕らがフランクフルトでフランクフルトを喰わないわけには行かないでしょ。よく知りませんが、フランクフルトソーセージ発祥の地であるはずのココでソレを食べながら、またもやビール。どんだけ飲むんだ、俺ら。
まぁ味覚も麻痺するぐらい酔いどれて、なんだか頼り無さそうなクロアチア航空の飛行機に乗り換えます。
一路、ザグレブへ。
って乗った途端、爆睡。
混濁する意識が、ザグレブに降る冷たい雪で徐々に覚醒。
あ、そうそう。ここはクロアチアでした。
バタバタと仕事をこなして、僕らは街に出ます。
セントラルスクエアは、相変わらず活気があって気分が高揚します。
以前見た教会は、雪の中にドッカリと佇んでいました。
これぞヨーロッパって石畳の小さな通りを曲がると、
衝撃的なシーンにめぐり合いました。
きっと駐車違反の車なんでしょう。警察官と思しき男性が、その車を見ています。
と、一台のトラック。
お、レッカー移動か?
と思いきや、
車を釣り上げ、荷台に載せて走り去っていきます。
マジか!?
激しすぎるぜ、クロアチアの駐禁処理!