スペイン紀行番外(チューリッヒ)編 その9
大変なことに気がついた。
マジョリカに行くことしか考えていなかったので、Tシャツと短パンしか持ってきていない。
スイスって涼しいイメージしかないけど大丈夫か?
夜の10時にチューリッヒ空港に到着。
気がつくと、いつの間にか周りの皆さんは長袖長ズボンに着替え済み。
よく成田にいる、真冬に南の島から来た勘違いしちゃった観光客みたいな格好に、
一緒にいたDトレーナーが
「大成さん、間違いなくチューリッヒで一番薄着ですよ」
って言ってたけど、せっかくのチューリッヒだ。
日本人の意地を見せるぜ。
おおっ!なんとなくスイスだ!チューリッヒ中央駅だ。
とりあえず食事をしようと店を探すけど、
日曜の深夜。
どこもやってない。
おまけに、寒い。
日本人の意地は潰えた。
永井ドクターからジャージを借りて凌ぐ。
ようやく怪しげなバーを発見してドカドカと入ると、
イカツいバンサーが厳しい目で俺たちを睨んでた。
ヘイ!ここはお前たちのような小僧が来るところじゃないんだぜ。
なんだそのダサい格好は!
って言われるかと思ったら
なんと彼はキックボクサーらしく先日の試合をテレビで見たという。
おおっ!兄弟!
って感じで飲み始めると、突然彼はどこかに消えてしまった。
どうやら勤務終了で帰ったらしい。
あっさりしてるな、おい。
コソコソとバーの片隅で、これからどうするかを相談する。
チューリッヒ湖の朝焼けを見に行こう。
決まった。
朝方まで粘って、
トラムで湖まで。
おおっ!
うん、すっかり曇りだし。
朝焼け見られないし。
メチャクチャ寒いし。
なんだか冬の印旛沼みたいだと思った。