大誠塾 in 中国⑨
いよいよ日中対抗戦メインイベント。切り込み隊長(なのに一番最後ですが)、アオヂ選手登場です。中国2戦目のアオヂ、若い2選手のアニキ的存在ですが、泣いて帰ってくるわ、タンカで運ばれてくるわで意気消沈気味。でもそこはキャリアの差でしょう。激しいアップで心も身体も鼓舞。裂帛の気合で、練習を見守るギャラリーを驚かせます。セコンド、選手共に円陣を組み「さぁ、行くぞ!」
リングに立つアオヂ。100%アウェイの状況は、たった1回でも選手を飛躍的に成長させます。
ゴングと同時に相手に襲いかかるアオヂ。それにしても見てください!相手選手の立派なムエタイスタイル。アオヂの攻撃をしっかり受け、的確に返します。「腹から崩していけ!」の指示通り、右のボディストレートを打った瞬間でした。ガードの下がった顔面にハイキック一閃!たった1発でしたが、その1発が勝敗を決めました。なんとか立ったアオヂですが、目の焦点は定まらず、足もフラフラです。ここでセコンドのミヤザキが的確なタオル投入。残念ではありましたが、0勝3敗という結果で大誠塾の遠征は幕を閉じました。
結果だけ見ると惨敗ですが、彼等が得たもの、そして中国の大きさを確認できたことは大きな収穫でした。何より反日感情の強いこの地で、3選手全てが大きな拍手と歓声を頂いた事、また中国のプロモーションからも、「日本人選手の心意気はスバラシイ!さすがサムライの国の選手だ!」とお褒めの言葉も頂きました。僕自身、勝ちにこだわる事もプロとして必要ですが、お客さんに喜んでもらう事がいかに大事かという事を再認識した遠征でした。