巣立っていく君へ。
市川市の高校バスケには3年生大会というのがある。
勝ち上がってもどっかの大きな大会に出られるわけでもなく、
負けても敗者復活のチャンスがある。
勝ちにこだわらない、負けて悔やまない笑顔の大会。
高校生活最後の試合を楽しむ長男がコートの中にいた。
鮮やかなオレンジ色のユニフォームを身にまとい、
いつの間にかたくさん増えた後輩の応援を背に受けて、
強豪と呼ばれるチームのディフェンスをかいくぐる。
見事に相手のディフェンダーに吹っ飛ばされる長男。
その相手はどうだ!とばかりの爽やかな笑顔でそっと手を差し伸べる。
やっぱり長男も、今回はヤラレタって少し恥ずかしそうに笑いながらその手を受けて立ち上がる。
きっと彼らがバスケを始めたとき、そんな気持ちだったんだろうなって思った。
長男は、足が痛いのか少しびっこを引きながらまた走り出す。
そういえば去年、長女もこの大会に出た事を思い出した。
いろいろあってバスケが嫌いなまま高校生活を終えようとしていた彼女は、
この大会で優秀選手に選ばれて笑顔でバスケ選手を終えた。
長男のノビノビと走る姿を見ると、なんだかとっても羨ましくなった。
きっと新しい季節も新しい場所も、その力強い脚でグングンと走って行くんだろう。
そして、もう僕の知らない世界へ羽ばたきつつある彼を再認識すると、
おいてけぼりを喰ったように、僕はぐっと寂しくもなったりした。
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