卒業
今日は高校に通っていた長女の卒業式。
あなたが生まれた時、僕はまだ現役の選手でした。
夜泣きがうるさいって、試合の近かった僕が怒りだして余計泣かせちゃったり、
試合に勝ったとき、リングを降りた花道でちっちかったあなたが飛び付いて喜んでくれた事、
ふと、思い出しました。
そうそう、まだ道場を立ち上げたばかりで生徒の少なかった子ども空手のクラスに嫌々通ってくれたっけ。
そして無理矢理出した試合で、カウンターの鋭い膝蹴りを出した時なんか、鳥肌が立つほど嬉しかったです。
いつの間にか空手からバスケットに転向して、何度か行った応援では目が合うといつも恥ずかしそうにしてたね。
だからバスケの推薦で高校に行くって言い始めた時はびっくりしました。
毎日朝練で5時に家を出るあなたと、飲んだくれて朝帰りの僕は何度も顔を合わせてましたね。
実はあの頃すでに僕は越えたな、って思っていたんです。
現役の頃は毎月のように試合してたし、
引退しても指導やらイベントでよく海外に出張してました。
いつもあなたの事そっちのけでしたね。
思えばいい加減な親でした。
よくぞこんな立派に育ってくれたと思います。
親として最後にあなたに望むものは、ただ充実した人生を幸せに歩んで欲しいって事だけです。
卒業おめでとう。
せっかくの卒業式も嬉し涙の雨で霞んでらぁ。
ついでに俺の目まで霞んできやがった。
メデテぇ日だ。
酒だ、酒でも飲むか!