某有名ブラック企業に就職して新人研修合宿に行った話13
時刻は間もなく22時を回ろうとしています。
明日は早朝6時から集合の予定です。
ボク「み、みんな……! もっと声張り上げてっ」
もはや、話し辛いとか絡みたくないとか言っている場合ではありません。
この人たち(班)に本気になってもらわなければ
明日は寝ずに研修を受けることになります。
B班のリーダー「よーし、この部屋割れるくらい声出すぞ!!」
B班「おー!」
C班のリーダー「辛いだろうけど、まだ声出せるよな!」
C班「おう!」
ボク(他の班も喉の限界まで絶叫するつもりだ)
それしか方法がないのですが。
ボク(ん? あれは……)
すると、部屋の隅で槻本の姿が見えました。
なにやら円陣を組んでコソコソと話をして
ときおり、頷き合ったりしています。
槻本(ゴニョゴニョ)
槻本班(コクコク)
ボク(槻本さんも班長だったのか……)
そういえば槻本さんの班は研修が始まってから
社訓を読み上げる練習のみしていて、一度も
教官たちにチェックをしてもらっていません。
ボク(何のつもりだ?)
槻本「お願いします!」ビシッ
突如槻本さんが手を上げました。
開始から二時間。ここに来て初めての
教官のチェックです。
教官「やってみろ」
槻本「社訓! 我々は結果のみを評価します!」
全員「我々は結果のみを評価します!」
槻本「我々は常に全力で結果を出します!」
全員「我々は常に全力で結果を出します!」
槻本「我々は常にナンバーワンを目指します!」
全員「我々は常にナンバーワンを目指します!」
教官「……」
槻本「……」
ボク(……)
教官「合格」
槻本班「いよっっしゃぁぁぁああ‼!!!!!」
?!