はじめてゲイビデオに出演したときの話11
→はじめてゲイビデオに出演したときの話10
田中「じゃあ、リュウジくんと、アキラくん
契約書書いてもらうからそこで待ってて」
シャワーを浴び終えたボクとリュウジくんに
監督がそう声をかけてきました。
ボクとリュウジくんが机で待っていると
監督が文字が書かれた紙を一枚持ってきます。
田中「リュウジくんは内容わかってると思うけど、
アキラくんは一応目を通しておいてね」
田中「ま、色々書いてあるけど、内容は結局
この映像をうちが販売したり宣伝したりする権利を認めますよー
っていうことを認めますってことと、」
田中「この映像を撮ってから6ヶ月以内は
他のビデオ会社に出演しませんよー
っていうことが書いてあるだけだから」
※ここが一般のAVメーカーとゲイビデオメーカーの大きな違いで
ゲイビデオの場合はプロダクションがないので
このようにして、モデルが他社に勝手に流れてしまうのを避けています。
ボク「は、はい……」
契約書の内容と監督の説明とに
相違がなかったのでサインをしました。
田中「うん、じゃあ、ここに判を押してね。
あ、拇印でいいから」
人差し指に朱肉を塗り、
判を押します。
田中「うん! これでオッケー。
じゃ、ギャラなんだけど、リュウジくんちょっと
来てくれる?」
リュウジ「はい」
監督に促されて、
リュウジくんが部屋の外に出ました。
一緒に向かった監督の手には
封筒が握られています。
ボクはそのとき、
なんとなく、「ああ、他のモデルにギャラを
知られないようにしているんだな」と思いました。
※これはゲイビデオというか、こういう取っ払い現場(日払い)
あるあるで、こうして他の出演者にどの出演者が
いくらもらっているか知られないようにしています。
田中「じゃあ、アキラくんどうぞー」
リュウジくんにギャラの受け渡しが済んだ監督が
今度はボクを部屋の外に呼び出します。
田中「じゃあ、アキラくん、今日のギャラなんだけど、
どうする? いま渡してもいいし、全部の撮影終わってから
まとめて払ってもいいよ」
ボク「あ、んーっと……」
正直、いま手持ちはほとんどありませんでした。
ボク「いまもらえると助かります」
田中「ん、じゃあ、今日のギャラ7万円」
ボクの申し出に監督は
すんなり封筒をボクに手渡してきました。
田中「残り2日で、20万になるように
帳尻合わせて渡すから」
ボク「あ、はい」
ギャラを受け取り、
監督と一緒に部屋に戻りました。
室内はADの木村さんが片付けを続けていて、
もうほとんど終わっているようでした。
木村「終わりましたー!」
田中「よし、じゃあ、撤収しよっか。
みんな荷物まとめてー」
監督の一声でみんなが荷物を持って玄関に立ちます。
全員そのままゾロゾロと
ホテルを後にします。
※このときはよくわかっていませんでしたが、
よくよく考えるとこれだけの人数と、これだけの
大荷物でホテルのロビーを素通りできたということは
ホテルの許可を取って撮影していたんですね。
リュウジ「じゃ、俺はここで」
みんなで車に向かって歩いていると、
リュウジくんがそう告げて去ろうとしました。
田中「おっ、了解。
じゃ、おつかれー」
リュウジ「お疲れさまでしたー!」
それに監督が答え、
リュウジくんはボクらとは
逆方向に消えていきました。
ボク(そっか。リュウジくんは東京住まいだもんな。
電車に乗って帰るのか……)
ふと、自分の今日の宿のことが
気になりました。
たしか面接のときは交通費と宿は持つと
告げられていたはずです。
聞いてみましょう。
ボク「あ、そういえば監督、
今日ボクってどこに泊まればいいんですか?」
田中「ん? ……ああ、」
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