幼稚園設立についてのご報告
奥田健次です。
今回は残念なご報告となります。
今年6月に長野県に幼稚園設置申請をしておりましたが、長野県の担当者との話し合いにより、今年10月の審議会にかけることを見送ることになりました。
今年の県の担当の方々は、私どもの幼稚園設立の趣旨をよく理解してくださり、とても協力的な姿勢での話し合いの場を何度も開いてくださいました。
色々な課題も丁寧に教えてくださり、目標に一歩も二歩も近づいた感触を得ています。
ただ、どうしてもまだ自己資金が不足しているということで、私学共済事業団からの借り入れ予定額の割合をもう少し小さくしてほしい、というのが大きな理由です。
その他、残された課題についても昨年よりも明確になりましたので、残された課題についても来年の申請に向けて準備を重ねていく所存です。
残された課題のいくつかは、こちら側でさらなる努力の積み重ねによって解消されるものです。一方で、長野県や地元の教育行政や関係者に、たとえば「インクルーシブ教育」の考え方やニーズについて、あるいは「行動分析学」が果たしてきた貢献についてご理解をいただかなくてはならないと考えます。
平成28年4月1日に施行されるいわゆる「障害者差別解消法」についても、私どもの幼稚園ではインクルーシブ教育の推進によって「合理的配慮」の考え方を広く普及していきたいと願っています。
(ちなみに、2014年1月20日に日本は国連の「障害者の権利に関する条約」を批准しました。この条約はインクルーシブ教育の推進と密接に関わっています)。
先月の第8回国際行動分析学会(ABAI’s Eighth International Conference in Kyoto)での招待講演でも、「長野県に日本初の行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園を設置する準備をしている(が、難航している)こと」についても、世界各国から600名を超える研究者や教育実践家、医師、福祉関係専門職、大学院生などの方々にお話ししました。
この動きについては大変注目されていて、アメリカはもちろんスペインやメキシコでも私の活動が噂になっていたと聞いていましたが、今回はテレビの取材も入りました。
ブラジル人でABAI現会長のMaria Martha Hübner先生(University of São Paulo)はじめ、この幼稚園の設立に向けての応援メッセージもいただきました。
身が引き締まる思いです。
これまで設立準備会のほうにご寄付くださっている方々のご期待にも応えられるよう、必ずこれを成し遂げますのでこれからも応援していただければ幸いです。
そして、この幼稚園が設立された暁には入園させたいとまで表明して下さった方々には、設立が一年延びることを大変申し訳なく思っています。私の力不足です、ほんとうにごめんなさい。
引き続き、幼稚園設立準備会のほうでは「幼稚園設立支援基金」として個人寄付を募っております。詳しくは、設立準備会ホームページをご覧下さい。
また、クラウドファンディングというシステムについても現在、幼稚園設立に資するならと導入を計画中です。詳しいことが決まりましたら、ご案内いたします。
私のこれまでの準備状況や本気度が長野県の担当者に伝わったようで、「いずれ必ず出来る幼稚園である」という力強いお言葉もいただきました。「いずれ」ではなく「来年」と考えております。一刻も早くというのは、上に申し上げた国連条約の批准や新しい法律の施行など、すでに始まっているからです。
一番の力になるのは、当事者のニーズです。
幼稚園設立が認められましたら、開園と同時に児童発達支援事業も開始する計画です。私どもの幼稚園の園児だけでなく、地元住民、近隣市町の住民、長野県内外からのニーズに応えるために、直接間接に発達支援を行います。
どうか、長野県に日本初の行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園が設置されるよう、これからも変わらずにご支援賜りますよう心よりお願い申し上げます。
奥田健次
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