FM世田谷にゲスト出演しまする
パートタイム教授、奥田健次です( ´ ▽ ` )ノ
いま私個人の縁のある土地、サンディエゴに来ています。
マリオット・マーキス・サンディエゴ・マリーナ。向こうに見えるのは、恐らくポイントローマ。懐かしい。
私ですが、常勤で働いていた大学を超早期スパッと退職して、西軽井沢で幼稚園を開園しました! とか、サラッと言うと何か簡単にできたみたいに聞こえますが。
大学を退職して7年目の春にようやくですよ。どんだけ理解が得られず(妨害もあったことか!)、それはそれは大変な産みの苦しみを経て、今に至っています。
いま、話題になっている映画化・ドラマ化候補作『拝啓、アスペルガー先生 マンガ版』と『マンガ 奥田健次の出張カウンセリング – 自閉症の家族支援物語』のシリーズのマンガ本も、マンガにするだけでどれだけ大変だったことか。
そもそも、山ほどやってきた事例の中で「マンガにしても当たり障りのないもの」を選ぶ作業も大変でした。
1つの事例で、実際にたとえば1年かかったものを、マンガ1話にまとめるっていう作業は、すごい割り切りがないと出来ません。
で、そうやってまとめると読者の中には「そんな簡単か!」という意見を持つ者も出てくる。まあ、それは「ええ、簡単ではないですよ!(ま、俺は簡単にやるけどそれなりの修行を経ているんや)」というお返事が出来ますが。
でも、「もっと重度の子ガー!」というのは、これはイチャモンですね。
重度の子も、強度行動障害の子も、もちろんそれらの成人らについても、私おそらく一番やっているんちゃうかな。それは、第三者が認めているわけで。
たとえば、次のようなサイトがありますね。
上記のサイトをご覧の通り「奥田先生には特に行動障害など困難事例の対応を」というのが世の中の評価になっています。
他のセラピストや大学の専門家に相談しても、有名な医者に相談してもどうにも出来なかった事例は、私のところに回されて来るんです。そのことは、一緒に仕事してきた人たちは皆、知っている話です。
他にも、私が強度行動障害の特別処遇施設で100%行動分析学でやらせてもらった時もです。もう20年近く前のこと。こういうことがありました。
こちらは「県内でもっとも大変な方を3年間、預かります」と言って、受け入れ条件に「家庭ではもちろん、他の社会福祉施設や病院すら預かりきれない重篤な強度行動障害の方々で、とにかく行き場のない方」としていたのです。
すると、とある知的障害の入所型施設から、まあAさんとしましょう。「Aさんを、とてもウチでは対応しきれません。あまりに激しい重度で強度な行動障害があって、なんとか引き取ってくれませんか? どうか助けて下さい」との依頼。当然、受け入れました。
それで3年間だけ預かったのです(3年というのは理由があって、そのことも知らない人は勉強しなおしてくださいね)。
当然、もう初日からこのAさんの暴力はひどいわ、物壊しは頻発するわ、弄便で自分の大便を毎日壁面に塗りたくるわ・・・。なるほど「そりゃ専門施設も病院も追い出すわな」とは思いました。
で、さっさとこれらのAさんの行動問題を直していきました(学会発表もしてます)。6か月程度かかった問題もあれば、1か月弱くらいで直した問題もありました。
1年後、福祉施設関係者同士のミーティングの席でのこと。私は出席していません。その場に、Aさんを私の施設に送り込んだ方が、最近のAさんが穏やかに過ごしていること(暴力ゼロ、弄便ゼロ、物壊しゼロ、笑顔でお手伝いしている姿など)を聞いた際、何て言ったと思います?
「ああ、Aさん? もともと大した問題なくてどっちかというと軽度の方を引き取ってもらったんですよ」
そりゃ、もうそれを間接的に聞いた私は激怒しましたね。「ありがとうございます」かと思ったら、こんな言い方をするなんて。「そりゃ最低な支援者であり、そりゃ最低な施設やわな」と今でも思い出しては憤懣やるかたないですよ。
なんなら、この施設と担当者の名前まで晒してやろうか。って思いますね。
で、こういうことって結構あるんですよ。
直してあげたら「そんな簡単に直るのは軽度だったんだ」とか。「直らないのは重度」「直るなら軽度」というのは、ただの素人が使う循環論やんか。
「お前、いっつも逃げてるくせに、問題が解決したら何を言うねん!」「やってみろよ、出来へんくせに」って。現場だけでなく、学会でもそう思うことがありますね。
こんな経験を山ほどしてきたんです。こんなん、マンガに描けんやろ。
マンガだけ読んで何も知らずに好き勝手評論し、またそんな不勉強なレビューを「確かに、そうだ」と思うほどマンガの読者ってユルい世界なんですかねぇ。
知らないなら、不勉強。しっかり実際に何が起こっているのか、見て学べば良いのであってね。
で、そういう「重度は大変だ」「強度行動障害って収まるの?」って匙を投げられた事例すら、上記の一例の通りに直してきた。だからこそ、ドキュメンタリーとかが私のところに取材に来るんでしょう。カメラの回っている前でいつも通りに行動を直している次第です。
ま、しかし上記のようにマンガの題材として選ぶには、それなりの出版社側の意向やら出した後の影響やら、色んな配慮事項があって簡単ではないのですよ。
そういったことが、まあマンガだけ読んだ人には分からないでしょう。
ま、イチャモンだけで物事を省みることも出来ない人は、前の記事で紹介したドキュメンタリー『NONFIX』を見たって分からないと思いますけどね。
自身の不勉強ゆえに分かってない人に、分かったような評論をされる世界。
反省しろよな。反省もできんのならそりゃ「お前が病んでいる」ってことよ。
さてさて。
FM世田谷さんに2週連続、ゲストとして出演する予定です。
放送日は、6/2 と6/9 です。時間はいずれも10時~10時30分。
番組名は、カルチャー+です。
教育や子育てに熱心な地元の方々からの、子育て質問もあるようで。
台本無しに、アドリブで回答します(ただし、あくまでラジオ番組なので極力おふざけ回答にするつもりです)。
世田谷以外の、というか全世界でFM世田谷のサイトから、放送を聴くことができるそうです。
奥田健次
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