ウリ専を呼んだ話9
→ウリ専を呼んだ話8
コウキくんがシャワーから上がってきました。
スッとボクのいるベッドまで近づいてきます。
ボク「……」ドキドキ
ベッドがわずかに軋んで
コウキくんが布団越しにボクの上に
覆いかぶさるのがわかりました。
コウキ「……」
ボク「……」ドキドキ
彼が、じっと
ボクのほうを見つめます。
破裂しそうなほど脈打つ心臓の音が
まるで耳元で発せられるように感じました。
そうしてしばらくボクの顔を見つめたあと
コウキくんは静かに唇を重ねてきました。
コウキ「んっ……」
ボク「っ……んっ……」
キスが深くなるにつれて
激しかった心臓の音が少しずつ
穏やかに、満ち足りたもののようになっていきます。
そしてコウキくんが少しずつ
ボクの首筋に移動を始めました。
ボク「んんっ……////」
そして胸に。
ボク「はぅ……はぁ……
(……あれ、)」
お腹へと下がっていきます。
ボク「んんっ……!///
(これ……なんか……)」
そして腰のあたりから
ピチャピチャという唾液とそれが
混ざり合うような音が響いてきました。
ボク「あっ……////
(ち、違う……これは……!)」
ボク「……ちょ、ちょっと待って!」
思わず、そう言ってボクは
起き上がりました。
そんな言葉が口をついて出てきました。
コウキ「……」
ボク「……
(うわぁー、やっちゃったよー……)」シュン
でも、どうしても
このままの流れはイヤでした。
ボク(だって……だって……)
仕事柄、なんとなく
“そういう空気”を察するのは
得意になってしまっていました。
キスから順番に下に降りていく”教科書じみた流れ”。
それは自分が仕事のとき
どうしても気がノらないときによくやってしまう
動作そのものでした。
ボク(……気持ちが入ってないことくらい
……わかるよ……)
コウキ「……」
ボク(あーあ……コウキくん怒ってるかなぁ……
怒ってなくても、「なんだこの客」くらいは
思ってるだろうなぁ……)
コウキ「……」スッ
すると、コウキくんはボクの横を通り過ぎ
枕のほうに頭を預けました。
ボク「?」
そして右手を伸ばして
「ん」と合図します。
ボク「!」パァ
嬉しくなりました。
もしかしたらここで「腕枕をする」というのも
“教科書じみた流れ”かもしれません。
でも、ボクの「ゆっくりシたい」と言った意味が
伝わったことが、なんとなく嬉しくて
ボクはその胸に抱きつきました。
ボク「ちゅーしたいなぁ」
いままでよりもっと自然に
そう言葉が出ました。
顔を近づけたコウキくんの唇に
ついばむように吸い付きます。
寄せ合った身体を擦り付けるように
ゆっくり上下させました。
ボク(素肌が擦れるのきもちーなぁ……)ボー
さわりたい部分をさわり、
愛おしいと思った部分に唇を寄せる。
さっきまでとは違った満足感と
安堵感に包まれます。
ボク「あ……×××てきちゃった……////」←恥ずかしいので自主規制
コウキくんは困ったように微笑んでいます。
ボク「今度は、ボクがするね」
そういって今度はボクが彼のものに
手を近づけました。
ボク(……あっ)
彼のそれは萎えていました。
完全にというわけではないのですが、
さわったり舐めたりして
反応しても、止めるとまた萎えてしまう。
一向に大きくならないそれは
彼のいまの心境を表すには十分過ぎました。
ボク(ボクは本当の女の子ってわけじゃないもん……
仕方ないよね……)
ですが、不思議とさっきのような
陰鬱とした想いはありませんでした。
ボクの中でなんとなく
「それならそれでいいかな」というような
気持ちが芽生えていました。
ボクも当時はプロです。
本気を出せばなんとか硬くさせて
挿入まで持ち込むことはできたかもしれません。
でも、そのときのボクには
そうまでするセックスに意味を感じられませんでした。
だから、彼のものから顔を離し、
こう伝えることにしました。
コウキ「え……いいの……?」
ボク「うん! それより腕枕してっ!」
コウキ「いいなら……いいんだけど……」
まだ納得いかない雰囲気のコウキくんを無視して
もうボクは腕の中に潜り込んでいました。
ボク「はぅー……しあわせ―……」
そういったボクの顔を見て、なんとか納得したのか
コウキくんはタバコを吸い始めました。
そこから一時間半ほどボクらは
取り留めのない会話をしながら過ごしました。
アラームが鳴ります。
コウキくんが来たときにセットしていた
コース時間が終わる音です。
アラームを止めると、コウキくんは
「特に汚れてないから」といい、
そのまま服をきてホテルを後にしていきました。
ボクもフロントに電話をして
少し遅れて部屋を出ます。
誰もいなくなった部屋の中で
コウキくんの残したタバコの煙が
たゆたうように揺れていました。
……と、そんなこんなで結局
セックスせずに終わりました!
いやー! 濡れ場シーンに期待したみなさん!
残念だったですねー!
え?
「お前はアレでよかったのか?」ですって?
そりゃあもうこんな気分ですよ!
ってのは嘘で……
なんというか、まあ、
そんなもんだろうなーという感じでした。
ボクは女の子じゃないし、女の子になる気もないので
それには納得していて、でも、コウキくんは女の子が好きだったって
それだけって感じですねー。
コウキくんがヒドイわけでも、
ボクがかわいそうってわけでもないです。
それに腕枕もしてもらえましたしね。
まあ、今回の経験としては
みんな!
風俗に行くときはガッツリ
ヌキに行くつもりで行ったほうが
純粋に楽しめるぞ!
というわけで、ま、この話は
これでおしまいです。
チャンチャン♪
やっぱせっかくだし、ヌいてもらっといたほーがよかったカナー
おしまい
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