死の直前に何が起きている?
映画でよく見る場面で、死に瀕して昏睡状態だった人が不意に意識を戻すというものがある。それも明瞭な意識状態で周囲の人たちに別れを告げるというもの。これは映画だけの話ではなく、実際に起きていることらしい。
末期の認知症患者の記憶や思考能力が死の直前に「戻ってくる」のはなぜか?
亡くなる直前に意識が明瞭になるケースとして認知症の人が多いらしい。心理学者によると19世紀からこうした事例が報告されていて、『一部の認知症患者が突然明晰(めいせき)な意識を取り戻し、家族や友人と昔のように会話を交わしたり、失っていた過去を思い出したり、食事をしたりする事例が報告されていました。患者が一時的に認知症状態から「戻ってくる」ように見える』とのこと。
ところがオーストラリアのモナシュ大学の研究によると『認知症状態から帰還した人の43%は24時間以内に、84%は1週間以内に死亡すると推定されている』らしい。それゆえこの意識状態は2009年に「terminal lucidity(終末期明晰)」という用語が与えられている。
この終末期明晰は髄膜炎、統合失調症、脳腫瘍、脳に外傷を負った患者からも報告されている。ただ全ての患者において発生する現象ではないので、まだその実態がつかめていないのが現状らしい。なぜそんなことが起きるのか、そして何をきっかけとして意識が明晰になるかはわかっていない。
現実問題として死に瀕している人なので、家族との別れが優先されてしまう。それゆえ医師等が終末期明晰の患者にコンタクトを取ることが難しい。でも19世紀から起きていることなので、人間に備わった機能として存在しているのは事実。
いったい死の直前に何が起きているんだろう?
医学的な見地でこの現象が解明されたならば、認知症や統合失調症の治療に役立つことになるかもしれない。注目するべきは、それらの病状が脳機能の完全喪失を否定していること。つまり何らかのトリガーが働けば脳機能が復活することを示唆している。
一方、スピリチュアルな観点からも興味深い。早くて1日、長くて1週間以内に亡くなる人が一時的に意識を回復する。まさに親しい人への別れの時間が与えられたようなもの。ボクの勝手な想像だと、死の直前には肉体との繋がりが希薄になるんだと思う。だから魂レベルでのコンタクトが可能になるような気がする。
瞬間的に肉体を離れた時、使用可能な肉体をフル活用することで家族とコンタクトが取れるのかも。それは愛する人に別れを伝えたいという、必死の想いが起こした現象のような気がする。この現象が科学的に解明されたなら、死後世界についての認識が変わるかもしれないね。
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