はじめてゲイビデオに出演したときの話25
→はじめてゲイビデオに出演したときの話24
ボク(ツバサさんイケメンなのに
もったいないなー)
このときのボクは知り得ませんでしたが
後にゲイビデオ業界の厳しさを知ることとなります。
田中「じゃあ、撮影始めていこうか。
セッティングするから、アキラくんその間
洗浄お願いねー」
そういわれて、田中さんから
浣腸薬を受け取ります。
ボク「あ、はい」
浣腸を終えると、ルームに
学校の教室にあるような
木椅子が置かれていました。
ボク(部屋との違和感……)
田中「じゃ、アキラくんそこの椅子座ってー」
田中「目隠しと手錠するねー」
ボクの顔にアイマスクがかけられ、
手は後ろ手に固定されました。
田中「えーっと、じゃあ、ツバサくんは
ムチで床をバシバシ叩かせながら
近付いてきてフレームインしよう」
ツバサ「はーい」
田中「ちょっとリハしてみようか。
はい、ツバサくん入ってくる」
バシ…バシ…バシ!
田中「はい、そこでアキラくん目覚める」
ボク「!」ピクッ
田中「うん、そんな感じで」
ツバサ「起きる演技自然で上手いね!」
ボク「え、あ、そうですか」エヘヘ
ツバサくんに褒められて
ボクはちょっと良い気になりました。
田中「じゃ、本番行ってみよう。
よーい、スタート」
バシ…バシ…バシ!
ボク「!」ピクッ
田中「はい、アキラくん状況がわからず
戸惑いの表情」
ボク「……」オロオロ
田中「ツバサくん近付いてきて……
はい、ここでセリフ!」
ツバサ「お前はここで俺に調教されんだよ」
田中「はい、カット! いいね、続いて
アキラくん返しでちょっと抵抗して、そこで
ツバサくんはムチの音でビビらせる、
そこからアキラくんは従っていくって流れだよー」
ボク「あの……」
田中「ん?」
ボク「思ったんですけど、いきなり拉致られて
すんなりボクが従うってのも、なんか
違和感ないですか?」
田中「あはは(笑)、まあ、本当のドラマや
映画じゃないからね。AVなんて多少の
ご都合主義は許されるんだよ」
※基本的には監督の言う通りなことが多いです。
えっちなビデオを見る男性は早くエロシーンが観たいと
思ってる人がほとんどで、ドラマ物の演技部分などは
設定の味付け程度に考えられてしまいます。
ボク(そんなもんかぁ……)
田中「じゃ、一旦転換するから、
アイマスクと手錠外しとくねー」
田中「セッティングするから待ってて!」
ライトなどを動かすようです。
ボク(そっか、木村さんいないから田中さん1人で
やらなくちゃいけないんだ)
今日の朝見た撮影慣れしたツバサくんの動きを
思い出します。
ボク(ボクももう撮影3日目なんだ。現場のこと
わかってるんだから、こういうときも
いち早く動けるようにしないと)
ボク「あ、ボ、ボクも手伝いますよ……!」ガタッ
田中「え? ああ、いい、いい。
モデルさんなんだから座っときな」ニッコリ
ボク「え……あ、はい」シュン
なんとなく、田中さんの笑顔からは
「余計な事するな」というような
意味合いが見て取れて少し落ち込みました。
その後、台本通りにシーンは進み、
ボクは初めてのロウソクや剃毛プレイや
鼻フックやらボールギャグやらを体験しました。
ボク(低温ローソクは熱くないって言ったやつ誰だよ。
めっちゃアチーじゃん)
というようなことも思いつつ、ようやく
撮影も佳境、挿入シーンです。
ここでまたトラブルが起きました。
撮影の途中まで流れ通りに進めてきた
ツバサさんが思うように挿入できなくなっていました。
ツバサ「ん……ん……、あー、だめですね」
田中「ちょっと見せて?」
田中さんがツバサくんの股間を覗き込みます。
田中「あー、勃ってないことはないけど
半勃ちって感じだね? ちょっと止める?」
ツバサ「すいません。おねがいします」
※お尻の穴は女性器より入口が窮屈になっているので
挿入には攻め側の性器の硬度が必要になります。
ですので、ゲイビデオではこういった勃起が弱くなって
待ちになる場面が結構あるのです。
以前の射精を待つ待ちは「イキ待ち」でしたが
こっちは「勃ち待ち」と言います。
ボク「ふぅ……」バタリ
撮影時間が続いたので、ボクは
しばしの休憩のためベッドに倒れ込みました。
田中「じゃあ、俺出ておくね。
アキラくんよろしくー」←部屋を出ていく
ボク(よろしく……?)
カメラが止まっているので、仮面を
外したツバサくんが隣で横になりました。
ボク「仮面ずっと付けてるの大変ですよね。
ツバサさんイケメンなのに勿体ないです」
ツバサ「ん、あー……まあ、俺も撮影長いから
こうじゃなきゃ使いにくいんだよ」
ボク「え?」
ツバサ「ん? ああ、ほら俺らゲイビモデルってさ
そんなにたくさんは本数撮らないじゃん?」
ボク「そうですね。需要は正直少ないですもんね」
ツバサ「だから、同じモデルを何度も出したりすると
俺らが思ってる以上に『また一緒のモデルか』感が
出ちゃうわけ。だから普通は相当人気のある子以外は
5~6回くらい出演したら、もう使い道なくなるんだよ」
ボク「……」
絶句です。
思った以上にゲイビ業界とはパイの狭い世界だったようです。
ツバサ「でも、俺は勃ちがいいほうだから、こうやって
顔を隠して何度か使ってもらえてるってわけ。
もう俺の顔なんて、お客さん(観てる人)は
見飽きてるってわけよ」
ボク「で、でも、ツバサさん
撮影慣れてる感じでかっこいいです!」
ツバサ「え? あはは……そうかな?」
ボク「はい。スタッフさんがやるようなことまで
できて、現場わかってるって感じで……。
ボクはさっき手伝おうとしたら断られちゃいました。
やっぱまだ信用されてないんですかねぇ……」シュン
ツバサ「……」
ボク「……?」
ツバサ「それは違うよ。アキラくん」
ボク「え?」
ツバサ「それはアキラくんの仕事じゃないから
監督さんは断っただけで、アキラくんの仕事に
信用をしていないわけじゃないよ」
ボク「……」
ツバサ「俺はさ、もうスタッフ寄りの立ち位置で正直
モデル以外のことをやってる面はあるけど、本来
モデルは撮られることに全力を注ぐべきなんだよ」
ツバサ「機材を運ぶのを手伝って怪我をしたり、
休めるときに休まずに撮影中にバテたりしないように
スタッフがいるんだから。君は君の仕事を
一生懸命すればいいんだよ」
ボク「……!」
まさにツバサくんの言う通りでした。
ボクはボクがすべきことを忘れ、
人に評価されることばかり考えてしまっていたのです。
ボク(なんかボク、子どもだな……)
ツバサ「なーんてね(笑)」
そのとき、ボクがなんとかして
ツバサさんの仕事をうまくさせてあげたい
と思いました。
ピトッ
ツバサ「ん……?」
ボク「あの……ボクに手伝えること
ありませんか?」スリスリ
そう言って、ツバサさんの身体にすり寄ります。
ツバサ「んっ……」
ボク「こ、こうかな……?」
ツバサ「ん、あっ……それ、スゴく……イイ……」
ボク「こ、こうですか……?」スリスリ
ツバサ「ああっ……!」
ボク(ていうか、よく考えたらこれ……)
ガチセックスじゃん!
ボク(や、やばい……な、なんか
撮影より恥ずかしいぞ……!)
ツバサ「……」ガバッ
ボク(え、ツバサさん……!?)
ツバサ「……」
ボク「……」
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スレ記事が山場で、さすがに場違いなことが書き込めぬぬぬ…
どうしよう…我、アイデンティティーが〜〜〜
アホが勝手に悩んでおりますが、気にせず先にお進み下さい。(場内アナウンスの声)
いつもながら内容がすごいです。
楽しみにしてます!!