なんかモヤモヤするなぁ
今日は朝からずっとモヤモヤしている。起きたと同時に大雨だったせいかもしれない。まさにバケツをひっくり返したような雨だった。
なんとか大雨はおさまったものの、外出中はずっと梅雨らしいシトシト降る雨。蒸し暑いし、歩きにくいし、とにかくモヤモヤした。
でもモヤモヤの本当の理由は、新しい小説のタイトルが決まらないこと。ずっと(仮タイトル)はあったけれど、書いているうちにテーマは変わってくるもの。だから新しいタイトルを考えているけれど、これがどうもスッキリ決まらない。
昨晩も布団に入ってからタイトルのことを考え始めたので、眠るに眠れない。思いつく限り候補を書き出して、それをネットで調べた。同じタイトルがあったら困るし、言葉の意味もきちんと確認したい。そんなことをしていたものだから、午前2時ごろまでモヤモヤしていた。
ようやくいい雰囲気のタイトルを決めた。そしてさっそく、今日の仕事中にそのタイトルに変えてみた。
う〜ん、悪くないんだけれどね。でも、これだ!という強烈なインパクトがない。それでやっぱりモヤモヤしている。
こんなタイトルがつけられたらいいのになぁ、という小説を読んだ。
『EPITAPH東京』恩田陸 著という小説。このアルファベットは(エピタフ)と読む。語源はギリシャ語で、墓碑銘のこと。日本ではあまり見かけないけれど、外国のお墓には個人を偲ぶ言葉が書かれているよね。墓に刻み込むそれらの言葉を墓碑銘という。
つまり東京という街の『墓碑銘』を描いた作品なんだと思う。カッコいいタイトルだよね。こんなタイトルをつけたいと思いつつ、読み終えてやはりモヤモヤした。
これまで読んだ恩田さんの作品とは明らかにちがう。いちおう小説になっている。だけどエッセイや紀行文のような構成になっていて、それらに繋がりがない。さらに語り手の著者が書いている戯曲が随所に登場する。そのうえ主人公の知り合いである吸血鬼が語る文章もある。
その3つの文体で構成されている小説なんだけれど、とにかくモヤモヤする。東北の大震災のあと、過去の東京は死んでしまった。だからエピタフなんだろう。だけど吸血鬼は、永遠の意識で東京という空間を見つめている。その対比が描かれていると感じつつ、やはりモヤモヤする。
結局ボクには理解できなかった。エッセイなら納得できるんだけれど、小説として読んでいるとモヤモヤするばかり。特にラストシーンは、唐突すぎて唖然としてしまった。う〜ん、モヤモヤするよなぁ
もし初めて読む恩田さんの小説がこれだったら、著者に対する異質な先入観ができてしまったかもしれない。幸いにも驚くような感動作をいくつも読んでいるので、ボクの認識が変わることはない。だけどこの作品はモヤモヤするばかりだった。
きっと今日はモヤモヤする日なんだろう。明日は夏至。節目となる日なので、きっとシャキッとするような気がする。寝不足で辛いけれど、もう一度タイトルを考えてみようかな。明日にはモヤモヤを脱出して、タイトルが決まるような気がするから。
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