「ずるい考え方」の会得法
ゴールデンウィーク前後の壮絶な「皿回し」が落ち着いたことで、今週になって通常モードに戻りつつある。さっそく新作小説の構想を練っている。
構想を練っている時期はアンテナを広げ、あらゆる情報に精神の触手を伸ばしている。楽しいけれど、熟睡している時以外は考えているのでしんどい時期でもある。そんな状態の時に必要なのは、ぶっ飛んだ発想力。そんな思考法をラテラルシンキングと呼ぶそう。
2023年 読書#48
『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』木村尚義 著という本を読んだ。
ラテラルシンキングは水平思考と呼ばれているもの。それに対するものとしてロジカルシンキング、いわゆる論理的思考がある。ロジカルシンキングはAだからBになって、最終的にCとなるという思考法。
ところがラテラルシンキングは論理的に進行しない。水平思考という言葉が示すとおり、想定外の方向から思考が進む。だからいきなりAからZという答えが出てくる。その思考法の解説と練習方法を記した書籍で、なかなか面白く読むことができた。
例えば本の表紙に書かれている質問を考えてみよう。
『13個のオレンジを3人の子供に平等に分けるには?』
13を3で割ったり、余りの分配方法を考えるのはロジカルシンキング。この問いがラテラルシンキングだとどうなるのか?
ひとつの例として、「13個のオレンジを絞ってジュースにする」という回答になる。そうすれば3人に平等に分けることができる。筋道を立てて考えるのではなく、いきなり答えに到達するという思考法がラテラルシンキング。それゆえ「ずるい考え方」と呼ばれているそう。
ただこの本を読んで感じたのは、ラテラルシンキングを会得するのは難しいということ。ボクたちは子供の頃から義務教育を受けてきたことで、物事を論理的に考える方法を刷り込まれている。周囲の大人もそうした考えを奨励するから、いきなり答えを導き出すということに抵抗を感じてしまう。
だから練習したからといって、すぐに身に付く思考法ではないように思う。ただ小説を書くということに関して、ラテラルシンキングは大切。まずはテーマを決めて、到達するゴールを先に見つけてしまう。その時に必要なのはラテラルシンキング。
そして実際に執筆を始めると、次はロジカルシンキングが主流となってくる。つまり最初に決めたスタートからゴールへと至る道筋を明確にしなければいけない。実際にはこの二つの思考法を混在させながら物語は進行していくんだけれど。
ラテラルシンキングをわかりやす説明すると、『直感』ということになると思う、
この『直感』は論理的に筋道を立ててもやってこない。『問い』として宇宙に投げかけて、その答えを待つしかない。ただ待つためにやるべきことがある。
それは『心に直感のスペースを空けておく』ということ
雑多な考えや悩み事で頭の中がいっぱいになっていると、『直感』が入ってくるスペースがない。せっかく降りてきても逃げてしまう。だから直感を必要とする時は、できる限り心を空っぽにすること。ボ〜ッとしている時間が大切になってくる。
ボクの経験からすると、最適なのは歩くこと。ただひたすら足の感覚を感じながら歩く。瞑想に似ているけれど、歩くことに集中することで直感が降りやすい。さらにいいのが掃除。日常的な掃除なら頭を使うことがない。ただひたすら掃除に向き合っていると、心にスペースができることが多い。
あとは湯船に浸かっているときや、トイレで座っているとき。人間の心は思っているよりも雑多なもので埋まっている。だから意識的にスペースを空けてあげないと、ラテラルシンキングは難しいと思う。
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