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高羽そらさんインタビュー

あだ名禁止より大切なこと

ボクが小学校のとき、思い悩んでいたことがある。それは「あだ名」で呼んでもらえないこと。友人がいなかったわけじゃない。継続的ないじめを受けた経験もない。だけどボクのことを誰もが「◯◯くん」としか呼ばない。他の友人たちは「あだ名」で呼び合っているのに。

 

それだけで友人たちとのあいだに見えない壁があるようで、子供なりに悲しく、どこか寂しかった。おそらくボクという人間が、無意識に他人との壁を作っていたんだと思う。大人になればそう感じるけれど、子供時代は誰にも言えずにモヤモヤしたものを抱えていた。

 

初めてボクを「あだ名」で呼んでくれたのは、中学校3年になって仲良くなったヤンキーの友人たち。一緒にタバコを吸ったり酒を飲んだりで、中学生としてはかなりヤバい関係。だけど彼らはボクに「あだ名」をつけ、ずっと以前からの知り合いのように呼びかけてくれた。とてもうれしかったのを覚えている。

 

それでボクなりに感覚をつかめたのか、高校、大学の友人たちからは「あだ名」で呼んでもらえるようになったし、ボクも友人たちを「あだ名」で呼んだ。もちろん「あだ名」が親しさを見せるだけでなく、裏の顔があることは自覚している。たいていはその人の見た目や雰囲気で「あだ名」がつくので、差別やいじめの温床になることがある。ちなみに口の大きいボクに対して、ヤンキーの友人がつけたあだ名は「カバ」だったwww

 

ある人から聞いた話だけれど、小学校のときに「かまぼこ」という「あだ名」の同級生がいたそう。その理由は、内気な人で机にへばりついて離れないからとのこと。蒲鉾板にかまぼこが貼り付いているイメージだろう。なかなかのネーミングセンスだと思う。

 

ただ本人がそれを笑って受け入れてくれたならいいけれど、そうでない場合はいじめに至る可能性もある。そういえばボクの子供時代は、そんな微妙な「あだ名」が飛び交っていた。ところがいまの子供は、「あだ名」で呼ぶことを禁じられる傾向にあるらしい。

 

「あだ名」「呼び捨て」は禁止、小学校で「さん付け」指導が広がる

 

日本全国の小学校で、友人を「あだ名」ではなく、「さん付け」と呼ぶように指導しているそう。もちろん理由は、いじめの温床になるということ。ただし子供同士の円滑なコミュニケーションを阻害するということで、反対する声も出ている。もし指導するなら、その理由は子供にわかるように説明して欲しいという意見が出ているそう。

 

学校によっては、校則で「さん付け」を定めているところもあるそう。公立の小学校だよ。子供なんて親しくなれば、「あだ名」で呼び合うのが普通。それをあえて禁止することは、ボクには適切な指導だとは思えない。

 

もちろんいじめの温床になることは分かっているし、ボクのように「あだ名」で呼んでもらえない子供が疎外感を覚えることもある。だからといって校則で「あだ名」を禁止することはやり過ぎだと思う。

 

この措置は、いじめ問題に正面から向き合っていないことを感じさせる。人間世界にいじめはつきもの、ダメだとわかっていてもいじめは起きる。それは子供だけの問題だけでなく大人社会でも同じこと。だから「さん付け」で呼ぶことで、いじめがなくなることはあり得ない。

 

いじめの原因なんて、消しても消しても新しいものが出てくる。そんなモグラ叩きのようなことをしているより、どうすればいじめの発生を大人が早い段階で把握でき、かつそれぞれの事例に対してどのように対処していくかについての議論を優先するべき。

 

いじめは絶対に起きるものだという前提に立って、どうすれば子供たちが傷つくことなく過ごせるかを真っ先に考えないといけない。子供が自殺したとき、いじめについて認知していなかったなんて言っている教師がいまだにいる。それはいじめに対する適切な対処マニュアルが、教師たちに確立していない証拠。

 

「さん付け」を勧めたり、「あだ名」を校則で禁止している時間があるなら、もっと根本的で大切な問題に取り組むべきだと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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