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高羽そらさんインタビュー

強い疑心暗鬼は自分への毒

今日の午前中、思っていたより天気がいいので妻と1時間の散歩をした。気温が高めなので服装は気をつけたけれど、それでも自宅へ戻ってくるとかなり汗をかいていた。今日の神戸の最高気温は18.5度。どう考えても12月上旬の気温じゃない。今週の土曜日までは平年より気温が高いそう。

 

ある意味異常気象なんだけれど、散歩中にカラスたちが楽しそうに飛んでいるのを何度も見かけた。きっと暖かいので、気持ちよかったんだと思う。野生動物たちにとっては、過ごしやすい年末かもね。

 

さて、読み出すと止まらなくなる小説がある。最初は普通のミステリーだと思った。ところがすぐに犯人が逮捕。ここからドラマの始まりで、最後の最後まで疑心暗鬼が荒れ狂う物語だった。

 

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2023年 読書#105

『クロコダイル・ティアーズ』雫井脩介 著という小説。まだ新しい小説でミステリーの要素もあるので、ネタバレはしないのでご安心を。

 

物語の舞台は鎌倉の陶器店。貞彦と暁美の熟年夫婦が受け継いできた老舗。息子はすでに後を継いでくれていて、嫁の想代子との間に保育園に通う未来の後継も生まれている。順風満帆のように見えるけれど、暁美は気がかりなことがあった。嫁の想代子に不可解なあざがあったから。もしかしたら息子がDVを?

 

そんなある日、想代子は法事で子供を連れて実家に戻った。仕事があった息子は鎌倉に残った。その日の夜、息子は何者かに刺殺された。犯人は防犯カメラの映像ですぐにわかった。想代子の元恋人が犯人で、よりを戻そうとした犯行だった。

 

貞彦と暁美の夫婦は絶望する。なのに夫を殺されたはずの暁美はさほど悲しそうではない。涙を見せているけれど、「嘘泣き」にしか見えなかった。ちなみにタイトルの『クロコダイル・ティアーズ』というのは、英語で「嘘泣き」の意味をさす。

 

嫁の想代子に対していい知れない違和感を覚えた暁美。そして裁判で実刑17年の判決が出た直後、犯人は法廷であることを叫んだ。「殺人を犯したのは、夫のDVに苦しんでいた想代子に依頼されたからだ」と。

 

そこから暁美の疑心暗鬼は止まらない。それまで店に寄りつかなかった想代子は、殺された夫の代わりに自分の息子を後継にするべく店に出るようになる。そんな行動にさえ疑いを抱く。暁美の夫の貞彦は、疑いつつも息子の血を引いた孫に期待を抱く。

 

やがて独自に想代子の過去を洗い出した暁美により、ますます疑いが深まってくる。もしかしたら孫だと思っているのは、犯人の子供かもしれない。暁美の息子と交際している期間が重なっていたから。暁美は夫を説得してこっそりと孫のDNA鑑定までやってしまう。

 

ということで暁美による嫁の想代子への疑惑が延々と描かれた物語。ボクは途中でこの物語の結末がわかった。あえて書かないけれど、思ったとおりだった。とにかく読み始めると続きが気になって仕方ない。答えが知りたい人は是非とも読んでほしい。最高に面白い小説だった。

 

この物語の感想をあえて書くとすれば、「強い疑心暗鬼は自分への毒」だということ。最後まで読んでもらえば、その意味がわかると思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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