どうしても直接対決させたい?
昨日のブログで「Flexible Focus」という造語を提唱した。人間に自由意志があるかを問うものだけれど、そのテーマについて書かれた有名なSF小説がある。と言っても集合意識がその対象になっている。
それはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズという作品。ハリ・セルダンという天才的な数学者が未来の出来事を数学で計算した。そのままでは何万年も人類に暗黒世界が訪れる。そこでその期間を短くするため『ファウンデーション』構想を実行させたという物語。
個人レベルでは自由意志は存在する。だけども人類の集合意識としては自由意志がない。それゆえ不幸な未来を避けるため、分岐点に仕掛けを設けるという内容。定期的に訪れる分岐点を乗り切ることで、人類は暗黒時代を避けることができるという計画だった。その『ファウンデーション』のドラマ版のシーズン2をようやく観終わった。
2023年 映画#209、210、211
『ファウンデーション』(原題:Foundation)シーズン2
エピソード8『永遠の皇后』(The Last Empress)
エピソード9『そう遠くない昔』(Long Ago, Not Far Away”)
エピソード10『創世神話』(Creation Myths)
前回の感想については『ドラマの意図が少しだけ見えた』という記事に書いているの参照を。
原作を大きく逸脱している物語なので、ストーリーを説明するのが難しい。ということで最後の3作は3週をかけて観て、まとめてブログに書くことにした。原作のファンとしては戸惑う展開だけれども、ようやくこのドラマの制作者がやろうとすることが見えた。
ファウンデーション構想の最大の敵はミュールという超能力者。最初に書いたように集合意識としては未来を計算できる。だけどセルダンは『外れ値』の存在を危惧していた。それがミュールという他人の心を自由に操れる存在だった。
原作ではミュールが登場する時、セルダン何百年も前に死んでいる。だから二人が相対することはない。ミュールを最終的に倒したのは、セルダンが『外れ値』対策として用意していた第2ファウンデーション。原作ではどのようにして作られたのか明確にされていなかった。
ということでドラマのシーズン2では、第2ファウンデーションがどのようにして作られたか描かれた。その主役となったのはガール・ドニックという写真の女性。このドラマでは主人公だと言っていい。原作では名前が出てくる程度だったけれど。
彼女は特殊能力を持っていて、第2ファウンデーションの基礎を作ることになった。それだけでなくポッドで眠って時間を超越することで、150年先に登場するミュールと直接対決することになった。さてセルダンは?
最終回のラストで、セルダンも共に未来へ行くことにした。だからセルダンとガールの二人は、再び150年後のドラマで主人公として登場する。このドラマの制作者はどうしてもミュールとセルダンの直接対決を実現させたかったらしい。確かにエンタメとしては面白いと思う。
ということでいつか公開されるシーズン3では、セルダンとガールがミュールと対決するのだろう。さらに面倒なのがデマーゼルというアンドロイドの存在。原作では男性で、この銀河をワンネス世界にした立役者。なのにどうも悪役的な扱いになっている。それに女性だしwww
このデマーゼルはロボットなので何年でも生きる。だからシーズン3でも関わってくるのだろう。想像がつかないけれど、ワクワクしながら作品の完成を待つとしよう。
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