外国人講師の好きな日本語
以前何かの記事で読んだ内容が印象深かった。人間は使っている言語によって、物事の見方や対応が異なってくるそう。確かに英語は主語の後に述語が来るので相手の意図が先にわかる。でも日本語は最後まで聞かないと話し手の意向がわからない。
だから外国語を学ぶことで、それまでになかった認識が深まるらしい。おそらくそれぞれの国の民族性が先にあって、その結果として言語が発達していったんだと思う。ということは日本語には日本人の民族性がインストールされているはず。そのことを感じる素敵な記事を読んだ。
外国人講師が選ぶ「一番好きな日本語」 1位には「信じられないほど便利」と衝撃 2位「お疲れ様」に大差
リンク先の記事は、日本で外国語を教えている外国人講師のアンケートをまとめたもの。「一番好きな日本語」という問いに答えている。これがなかなか素敵だった。
まず３位は「大丈夫です」
これはいろんな場面で使えるので、外国人として最初に覚えるべき日本語とのこと。英語の「I’m ok」よりも深い意味があると思う。
第２位は「お疲れ様でした」
これは英語圏には存在しないフレーズらしい。外国人からすれば、他人と経験を共有したいという気持ちを表す素敵なフレーズと感じるそう。「私たちはこれまで毎日の仕事が終わって別れる時、同僚にお礼を言うことはありませんでした。これは素晴らしい考え方だと思うし、とても尊敬に値します」とのこと。
そして第１位は「仕方がない（しょうがない）」
この言葉が１位なったのは嬉しい。外国の人からすれば「自分の力ではどうにもならない状況を説明するのに使える、素敵なフレーズです」との感想。ボクもこの言葉は日本人の気質がリアルに出ている表現だと思う。
日本は地震国。そして台風もよく上陸する。そうした自然の脅威に向き合った時、「仕方がない」という言葉で対応するしかない。これは見方によっては、「諦める」というネガティブに意味に取られやすい。でもボクは違うと思う。
日本人はそうした自然災害から立ち直ってきた。戦争で街が焼け野原になっても大都市として復興させた。そんな不屈の精神が日本人の本質として存在していると思う。だから「仕方がない」は諦念ではなく、『受容』の言葉なんだと思う。
現実を直視して受け入れることで、立ち止まることなく次の行動に出るための言葉が「仕方ない」だと思う。起きたことを悔いても仕方ない。だから前を向こう、という気持ちが込められた言葉だという気がする。そう思うと、日本語って素敵だなぁと改めて感動した。
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