<唯一の人>を求め続ける物語
エイバ・マックスが久しぶりに単独のシングル曲をリリースした。コラボ曲も少し前に出ているので、もしかしたらニューアルバムが近いのかも。ブレイクした頃から応援しているシンガーソングライターなので、久しぶりにアルバムを聴かせて欲しいと思っている。
エイバ・マックスはミュージックビデオ等ではセクシーを売り物にしているところがある。今回リリースされた『My Oh My』のミュージックビデオもなかなかセクシーな作品。
でもボクは以前から感じていたけれど、彼女のセクシーは営業用のものだと思う。InstagramやTikTokの動画を見ている限り、彼女の本質は正反対の清楚な女性だと感じる。ミュージックビデオの見た目は清楚なのに、私生活がビッチなミュージシャンよりいいよねwww
さて、とても素晴らしい小説を読んだ。主人公の二人の幻影が、読み終えて丸1日経っても心に強く残っている物語だった。
2024年 読書#30
『光のとこにいてね』一穂ミチ 著という小説。著者の作品は『スモールワールズ』が出会い。その作品も忘れ難いけれど、この物語はさらに心に深く入り込んできた気がする。考えようによってはあり得ない設定。けれどもそれを受容してしまえるほど、主人公の二人の絆の強さを感じてしまう物語だった。
主人公は小瀧結珠(こたき・ゆず)と校倉果遠(あぜくら・かのん)の二人。結珠は医者の娘で裕福な家庭に育っている。果遠は父親が不明で、母と二人の団地暮らし。この二人の出会いはともに7歳の時だった。
結珠の母親は不倫をしていた。その相手は団地にいる。毎週水曜日になると、結珠は母に連れられてその団地にやってきた。そして団地の1階で母が出てくるまで待っている。その時、その団地に暮らす果遠と出会う。
この時の出会いで、二人は互いをかけがえのない<唯一の人>だと認識する。けれども親の都合で二人は引き裂かれた。結珠の母が男との関係が切れたことで、別れを言う間も無く二人は別れる。
次の出会いは高校1年生。結珠は小中高一貫の私立校に通っている。高校1年生の時、奨学金が出る特待生として入学してきたのが果遠だった。そして二人は再会する。
その再会は、結珠にどうしても会いたい果遠が必死で勉強した結果だった。でも今度は果遠の母が職場で横領したことで、夜逃げすることになる。またしても二人は引き裂かれてしまう。
そして次に出会ったのは二人が29歳の時。小学校教師になったものの、学級運営に失敗した結珠は休職。夫とともにリハビリを兼ねて田舎へ移住した。なんとその街でスナックのママをしている果遠と再会する。彼女には小学生の娘がいた。
ネタバレはここまでにしよう。これから読む人もいるだろうしね。この二人はそれぞれ夫がいる。けれども二人には夫でさえ入り込めない深い絆をがある。いつも一緒にいたいのに、不可抗力で二人は引き裂かれてきた。今度こそ一緒にいようと決意したのに、またしても事件が起きる。さて、二人の運命は?
と簡単に書いているけれど、実はとても深い物語。何度も切なくなって、涙をこらえながら読み進めた。魂の双子のような二人で、互いの存在なしには生きられないと感じてしまう。ラストシーンはとても素敵だった。これ映画で観たいなぁ。そう感じさせる素晴らしい物語だった。
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