ワクチン接種最大の難関
緊急事態宣言の延長がほぼ決まった。いまのところ今月いっぱいとのこと。ただその効果は微妙。医療崩壊と経済崩壊のバランスを考えると、何が正解なのかわからない状態だと思う。
とにかく現状としては、ワクチン接種を進めることで集団免疫を獲得するしかない。ウイルスの特性を考えると、これからも次々と変異株は登場する。だから人間の体内にウイルスが滞在する時間を、できる限り短くするしかない。それにはワクチンしかないと思う。
でも最大の問題は、集団免疫を獲得できるまで抗体の保持者を増やせるかどうか。ワクチン接種で世界をリードしているアメリカは、その点に関して最大の難関を迎えている。ワクチン接種を避ける人が一定数出てくる。だから接種率が頭打ちになってしまった。
そこでとてもユニークな方法が取られている。
大リーグ マリナーズ 球場でファンにワクチン接種 予約不要で
マリナーズのファンが球場を訪れた際、予約なしでワクチンの接種ができるというもの。さすがベースボールの国だよね。ワクチンは一回の接種でいいジョンソン&ジョンソンと、2回接種が必要なモデルナのワクチンを選べるそう。
なんとなく迷っていた人も、受けてみようかという気持ちになるかもしれない。さらにニューヨークではもっと積極的な方法が取られている。
コロナワクチン接種で米プロ野球を無料観戦 NY州が接種奨励策
ニューヨークのクオモ知事が発表した内容を紹介した記事。ニューヨークに本拠地を置くヤンキースとメッツの試合前、球場でワクチンを接種した人に観戦チケットを配布するというもの。無料で試合を見られるなんてすごい。
おそらくこの方法は一定の効果があると思う。それだけじゃなく、さらに積極的な方法も検討されている。リンク先の記事から抜粋してみよう。
『19日からはワクチン接種を済ませた観客と未接種の観客を分割する計画を発表。ワクチン接種を受けていない観客のセクションでは座席数が定員の33%に制限され、ソーシャルディスタンシング(社会的距離)確保やマスク着用が義務付けられるという』
つまりワクチン接種者は普通に試合観戦ができる。だけど未接種の人たちには特定の制限を加えるというもの。このような差別化は、ワクチンの接種率を高めるためにさらに追加されていくことになるはず。
リンク先の記事に紹介されているように、シカゴではワクチン接種者対象のコンサートが開催される。ニュージャージーのビール醸造所では、ワクチン接種を受けた21歳以上の人を対象に無料でビールを提供するそう。
ワクチン接種が始まったばかりの日本でも、いずれアメリカと同じことが起きる。集団免疫を獲得するに至らない段階で、接種者数が頭打ちになるのは目に見えている。だからいまのうちに対策を考えておかないと、ずるずると緊急事態宣言を延長するようなことを繰り返すだけになると思う。
でも見通しは暗い。だって混乱が予想されていたのに、ワクチン接種の予約で電話がパンクしたり、役所のネットサーバーがダウンしているから。それゆえそう簡単に集団免疫の獲得にはならないと思う。
新型コロナウイルスの完全撲滅なんて無理に決まっている。それはインフルエンザウイルスを見たら明らかなこと。だからこそワクチンで時間を稼ぎ、ウイルスと共存できる世界を本気で構築するしかないと思うなぁ。
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