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高羽そらさんインタビュー

多様性の境界線はどこ?

LGBTという言葉が社会において認知されつつあることで、多様性を容認する動きが高まっている。とてもいいことだと思うし、ボクも心の底から賛同する。

 

ただ多様性という言葉は、目に見えない危険を孕んでいるのも事実。ある記事を読んで、そのことを改めて感じた。

 

90歳のカミングアウト

 

本当の自分でありたい、と思うのは誰もが願うこと。そしてその願いが既存の概念で否定的であったとしても、社会に取り込んでいこうとするのが多様性の主旨。リンク先の記事も、そうした意向に沿ったものとして書かれているはず。いわゆる、ちょっとした美談的な扱いになっている。

 

90歳になるケネスさんというアメリカの男性が、ゲイであることをカミングアウトした記事。12歳のときにゲイだと気づいた。そして成人してからその想いを共有してくれる同性の友人ができた。いや、恋人といっていいだろう。

 

二人は同居するけれど、ケネスさんは悩む。なぜなら当時の社会はゲイを認めていない。熱心なクリスチャンであるケネスさんは、宗教的な部分に関しても苦しんでいた。だからその男性の元を離れ、女性と結婚して娘をもうけている。

 

ところが89歳になってガンと診断されたことで、これまでの人生を考え直すことになった。そして自分の本当の気持ちに向き合い、友人に自分がゲイであることをメールしようとした。ところがまちがってSNSに投稿してしまい、世界中にカミングアウトすることになってしまったそう。

 

結果としてそのことを悔いていない。むしろ勇気を出したことに満足されている。そして別れた恋人を探した。2年前に亡くなっていたそうだけれど、その人のめいと連絡が取れるようになったそう。

 

とてもいい話だし、この記事を呼んでいる限りは美談に思える。だけど最初に書いたように、多様性という言葉が持つ危険を感じてしまった。

 

実はケネスさんの娘さんもゲイだった。そのことを父親に告白したけれど、ケネスさんは娘を叱った。社会的にマズいと考えたからだろう。いまは娘の気持ちを認め、女性と同居する娘と親しく交流されている。

 

この事実だけでも、多様性の境界線が変化していることがわかる。現代では同性の結婚が認められる国があるというのに、少し前までは必死になって誰もが自分の本心を隠していた。なぜならカミングアウトすることで、社会的な制裁を受けることになるから。

 

だったらいまの社会は、誰もが本当の自分になれるのだろうか?

 

いやいや、そういうわけにはいかない。人知れず苦しんでいる人は大勢いるはず。例えば小児性愛者。性的嗜好は本能のようなもので、ダメだとわかっていても衝動を感じてしまう。そんな人は社会がどれだけ多様性を認めても、本当の自分になることは認められないだろう。

 

もっと過激なことをいえば、暴力的な性行為にしか満足しない人だっている。あるいは人を痛めつけることに快感を覚えたり、殺すことにエクスタシーを感じる人だって世間には存在する。そしてそれらの衝動の多くは、その人の本能に根付いているので抑制には苦痛を伴う。

 

社会が個人の多様性を認めると宣言しても、絶対に本当の自分になれない人はいる。それは犯罪者だから当然だろう、と多くの人が反論するだろう。だけど少し歴史をさかのぼれば、同性愛が犯罪として扱われた時代もあったことを忘れてはいけない。

 

結論として、多様性にはある種の境界線が必要だということ。最大の問題は、誰が、そしてどのような基準によってその境界線を設けるかということ。多様性を叫ぶのは素晴らしいことだけれど、暴走する危険があることを知っておく必要があると思う。極論なのはわかっているけれどね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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