大麻と肥満の不都合な真実
人間の心は自分が思っているほど強くない。現代社会におけるストレスは、じわじわと心身を疲弊させていく。そんなストレスから逃れるため、つい脳の快楽中枢を刺激する行動に走ってしまう。それがストレス肥満。
ボクは20代のころにストレス肥満を経験している。税理士事務所で働いているときのストレスによって、食欲を満たすという快感に逃避していた。肉体と精神に限界を感じて事務所を退職した20代の終わり、おそらくボクの人生で最大の体重だったと思う。
もしこの時期に違法薬物と出会っていたら、拒否できたと言い切る自信は持てない。ストレスから逃れるために、その快楽に依存していたかもしれない。まぁそこまで極端なストレスでなくても、１日の終わりにストレスから解放されたいと思う人がほとんどだろう。
それゆえ違法でなく、かつ健康に問題がないと言われたら安心してしまうものがある。それが大麻と軽度の肥満、大麻は世界中で合法化されているところが増え、医療用大麻の導入も進められている。タバコや覚醒剤のように依存性がないとも言われていて、日本でも解禁を求める声は多い。ボクも医療用大麻に関しては導入を急ぐべきだと考えている。
そして肥満に関しても、BMIと死亡リスクをまとめた統計によると、やや太り気味の人が長生きする事実が公表されている。肥満と判定される人でも、健康体の人に比べて死亡リスクはさほど変わらない。
それらの事実はアメリカにおいて大麻を常用し、食欲を満たしたいという人にとって都合がいい。ところが最近の研究によると、そんな人たちにとって不都合な事実が明らかになっているそう。ますは大麻。
リンク先の記事はアメリカの心臓病学会が先月の24日に発表したもの。記事から抜粋してみよう。
『17万5000人の健康データを分析したところ、大麻を毎日使用する人は、虚血性心疾患を起こす可能性が使用経験のない人より34％高くなっていたという。虚血性心疾患は、心臓病のなかでも最も一般的な疾患の1つ。心臓の血管にプラークが蓄積することによって引き起こされる。研究チームは、大麻に含まれる成分で（幻覚などの）向精神作用があるテトラヒドロカンナビノール（THC）が血管に炎症を起こし、プラークの蓄積につながるとの見方を示している』
34%という数字は無視できない。大麻は問題ないと信じている人が常用すれば、心臓に疾患を抱える可能性は無視できないと思う。ちょっとした息抜きで吸引する程度なら問題ないかもしれないけれど、ストレスがマックスで常用している人は要注意だということかも。
そして肥満。
「肥満のパラドックス」終決か、少しぐらい太り気味でもOKとの常識に反する研究結果が報告される
この記事も食欲でストレス解消している人には不都合な真実だろう。太り気味の方が長生きするというのは、BMIを基準とした統計に基づいている。でもコロラド大学の研究者が30年以上の体重データーに基づいて検討すると、太り気味が長生きという理論が否定される結果が出たそう。
BMIというのは身長と体重に基づいて計算するので、人間の体組成を考慮していない。リンク先の記事でも紹介されたいたが、トム・クルーズは身長が170センチで体重は91キロあるそう。BMIだと肥満と判定されるけれど、彼が肥満だと思う人はいないだろう。彼の体重が多いのは筋肉で覆われているから。
これは「BMIの落とし穴」と呼ばれているそうで、その影響を排除してデータを見直すと、やはり肥満は寿命を縮めているという結果が出た。だから太り気味よりも、標準体重の方が死亡リスクが低くなる。
要するにこれらの結果をまとめると、ストレス解消のために薬物や食べ物を使用するのは避けるべきだということ。逃避行動として薬物や食欲を満たす快楽に依存するのではなく、ストレスそのものに向き合うべきなのかも。まぁわかっていても、それができないから苦労するんだけれどね。
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