SOLA TODAY Vol.448
みずほ銀行グループが、この先10年で19000人の人員削減を発表した。他のメガバングも数千人単位でのリストラを表明している。
こんな状況だというのに、銀行が安定した企業だという妄想を抱いている人は多い。学生の希望就職先でも上位にランクインしている。だけどメガバングでさえ人員整理に入っているというのに、地銀や信用金庫に未来があるとは思えない。
近い将来、銀行というシステムは消えてしまうかもしれない。そのことについて触れた記事がある。
先日、久しぶりにビットコインとブロックチェーンに関する本を読み直していた。改めて感じたのは、これほど完璧な暗号システムは他にないだろう。P2Pというものは、中央管理システムを必要としない。
お金を送金するのに銀行を介する必要はないし、紙幣を発行しないので中央銀行もいらない。ブロックチェーンはビットコイン等の仮想通貨としてだけではなく、契約書やその履行に関する取り決めをやり取りすることもできる。選挙における電子投票システムとしても利用できるだろう。
これだけでも銀行の既存システムを破壊するパワーを持っているが、さらにAIというものが人間の職場を奪いつつある。銀行業務として人間に頼っていた融資審査は、AIに任せるほうがミスもなくスピードも圧倒的に早い。
この記事で、AIによって銀行員が消滅していく順序を紹介している。
(1) 顧客に接触しない事務処理
(2) コールセンター等の定型的な顧客対応処理
(3) 支店窓口等の定型的顧客対応
(4) 個人向け等の小口ローン
(5) 法人向け融資
銀行本社の事務職が、もっとも早くAIに仕事を奪われてしまうということ。こうなれば年功序列も終身雇用もない。経営者として非情な決断を余儀なくされるだろう。
メガバンクはこうした事実に向き合って、業態の変化にエネルギーを注いでいる。今までの銀行の概念をぶち壊して、新しい企業としての道を模索している。ところが地銀や信用金庫は、いまだに中小企業向けのローンや個人のカードローンに収益を求めているという状態。これはかなりヤバい。
銀行消滅の序章となるのは、地銀と信用金庫の経営破綻だと思っている。一気に統廃合が進んだすえ、銀行というものが消えてしまう可能性がある。「ビットコインなんて信用ならん」と顔をそむけているのではなく、少なくとも最低限の知識を持っておくべきだろう。
さもないと銀行の破綻に巻き込まれて、共倒れしてしまうかもしれないからね。
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