SOLA TODAY Vol.453
依存症という言葉を聞いて頭に浮かぶのは、薬物やアルコール。近年ではパチンコ等のギャンブル依存症も社会問題となっている。
依存症の人に共通するのは、強烈なストレスを抱えているということだろう。その重圧に耐えられず、何かに依存してしまう。薬物やアルコールに手を出さないよう注意することで、依存症になるのを避けることはできるだろう。
だけど意外なものに中毒性があることが証明されている。中学生くらいの子供でも摂取できるもの。
それはなんとエナジードリンク。コンビニでも自販機でも売っている。アルコールではないので、誰でも普通に買える。ところがそこに含まれるカフェインが、依存症を誘発するとのこと。特に子供が危ないらしい。
大人でもコーヒー等のカフェインを摂取すると、その効果が半減するのに2〜7時間はかかる。ということは身体の小さな子供には、カフェインの成分が長く影響を与えてしまう。
最初にカフェインの過剰摂取が注目されたのは、2015年のことらしい。20代のガソリンスタンドで働く男性が死亡しているが、彼はエナジードリンを常用していた。さらに胃からはカフェインの錠剤まで見つかっている。
この記事で医師も述べているが、カフェインを過剰に摂取すると「「興奮状態やいらつき、頭痛はカフェイン中毒のよくある症状です。頻脈や頻呼吸、胸痛などが現れる人もいるし、依存性もあります」とのこと。
この記事に出ている子供たちの例を見ていると、かなりヤバい。おとなしいと思っていた子供が、人が変わったように豹変するなんて普通。ひどい場合には試験中に救急車で運ばれた学生もいる。その人は以下のような状態だった。
『男子学生は前日あまり食事を取らずに、テスト勉強のために一晩でエナジードリンクを5本飲み、さらに朝登校してテスト前にもう1本飲んでいたという。24時間のカフェイン摂取量は合計840mgになっていた』
受験勉強のときにエナジードリンを飲むと勉強に集中できる、ということが子供たちのあいだで流布している。事実カフェインの興奮作用で眠気が消え、勉強に打ち込むことができるのだろう。だけど身体には想像以上の負担がかかり、さらに依存性もある。やがて飲まないといられなくなってしまう。
この記事で意見を述べている精神科医の言葉が印象に残っている。
「依存には、単に物質の薬理作用だけでなく、その人の置かれているつらい状況、抱えているトラウマという心理・社会的な要因も関係しています。その物質を摂取することで、悩みや苦しみが一瞬でも和らいだり消えたりするという体験をすると、やめられなくなる」
依存症を的確に言い表した言葉だと思う。いじめ、暴力、家庭内の不和、貧困など、身近な問題やトラウマを抱えている子どもの場合、カフェインをなかなかやめられないということだろう。
ボクはエナジードリンクはまったく飲まない。以前試供品として綺麗な女性が配っていた『レッドブル』を飲んだくらい。だけどコーヒーはかなり好きなので、カフェインは毎日摂取している。それでも基本的に、朝食と午後3時のコーヒーの2回だけ。その程度で、ちょうどいいということかもね。
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