自動車は所有から利用の時代へ
自家用車を手放してから10年を超えた。それ以前は車があることが普通だったので、手放した当初は不安を覚えた。でもすぐそんな生活に慣れたのは、神戸の公共交通機関が充実しているおかげだと思う。
電車やバスの利用で移動は事足りる。最近ではタクシーに乗るのは年に2度あるミューナの通院だけ。自動車本体の価格、ガソリン、保険、車検費用、そしてマンションの駐車場料金を考えると、経済面から言えばメリットしかない。
だけど地方は都会ほど交通機関が充実していないので、自動車を手放せない人が多いだろう。それゆえ高齢者の運転免許返納も進まず、悲惨な事故が起きている。そんな地方でも自家用車を一気に減らす方法がある。それは自動運転タクシー。
自動運転タクシー普及で、自家用車の利用率「10年後に30%割れ」
リンク先の記事は、アメリカのマッキンゼーが世論調査した結果をまとめたもの。記事から抜粋してみよう。
『世界の交通機関のうち自家用車が占める割合は、2021年が45%で、その後、2024年に41%、2029年に35%、2034年に29%と、徐々に減少傾向となっている。なお、この調査は13カ国、2万5,000人以上を対象に行われたという』
マッキンゼーによると、10年後には自家用車は全交通機関の30%以下になると見られている。これは地球の環境問題を加味しても、是非とも現実になってほしい数字。自家用車が減少する要因として考えられているのが自動運転タクシーの普及。
自家用車は最初に書いたように、所有に関わるコストに無駄が多い。使っていないときにも駐車料金が必要になる。だから自動運転タクシーが普及すれば、自家用車を手放すと考えている人が多いそう。これは日本の地方でも同じ答えが出ると思う。
自動運転タクシーは、現在のタクシーより安価に利用できると見込まれている。運転手の人件費がかからないし、メンテナンスの時間以外は24時間稼働することができるから。
すでにアメリカでは自動運転タクシーの部分的な運用がスタートしている。アリゾナ州フェニックスの郊外限定で、実際に自動運転タクシーが2018年から稼働している。当初はセーフティードライバーが同乗していたけれど、現在では無人化が進んでいるとのこと。
さらにサンフランスシスコでも同様の走行テストが開始されている。確かにまだ完全な実用化段階ではない。トラブルも多く、安全面においてはまだまだ改良の余地があるだろう。ただ開発が進むことで、より安全な自動運転タクシーへと至るのは遠い未来じゃない。
完全に実用化されたなら、まずは交通事故が大幅に減少するはず。自家用車を手放す人が増え、地球の環境にも優しい。高齢者によるアクセルの踏み間違い等の悲しい事故も激減するだろう。
もちろんデメリットもある。多くのタクシードライバーが失業するだろう。自動運転タクシーになれば無線業務等も人員削減の対象となる。AIが管理すれば、自動運転タクシーのアプリ配車に対応可能だから。
だけどメリットを考えると、時代の流れは自動運転への道を爆進するのは確実。自動車に限らず、多くの物が「所有」から「利用」、あるいは「シェア」の時代へと移行しつつある。ボクたちもそれに合わせて、知識や概念を常にアップデートしていく必要があると思う。
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